ご予約はこちら

栄養学の基本

栄養学の基本

1.押さえておきたい5大栄養トピックス

  • 認知症の予防と栄養
  • 糖尿病の予防と血糖値
  • GI値を利用した肥満予防
  • 知っておきたい食品表示

 

2.栄養学の為の基礎データ

 

3.栄養学の基本とライフステージ別栄養学

ライフステージ別の食事と栄養

栄養データと活用法

 

4.栄養素の働き

ビタミン

ミネラル

フットケミカル

 

食材図鑑

穀類

いも類

豆類

種実類

緑黄色野菜

淡色野菜

香味野菜

新顔野菜

きのこ類

果実

肉類

魚介類

海藻類

乳類・卵

調味料

嗜好飲料

 

病気と栄養

 

  • kcal(キロカロリー):エネルギー(熱量)の単位
  • mg(ミリグラム):1000mg=1g
  • μg(マイクログラム):1000μg=1mg
  • μgRAE(レチノール活性当量):食品中のビタミンAの含有量をレチノールの働きとして測定した単位
  • NE(ナイアシン当量):ナイアシンの働きを測定した単位
  • %エネルギー:1日エネルギー量のうち、各栄養素が占める割合をエネルギーで示したもの

 

食事バランスガイド

バランスのよい献立を作成するための目安に食事バランスガイドがあります。

1日に必要な栄養と食事の適量を知るために活用してみましょう。

 

何をどれくらい食べるか、1日に取るべき組み合わせがわかる

「食事バランスガイド」は2005年、健康で豊かな食生活を目指す「食生活指針」を具体的に行動に結びつけるものとして、厚生労働省と農林水産省が共同で発表しました。

 

食事バランスガイドは、「どんな」食事を「どれくらい」食べたかについての目安を示すものです。

 

料理区分は、主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物の5区分に分けられており、摂取量については「SV」という単位で示しています。

例えば主食だと、ごはん小盛り1杯が「1SV(1つ)」となります。

 

5つの区分のうち、どれか1区分でも摂り過ぎたり、不足したりするとコマのバランスが崩れます。

 

基本は健康な成人向け、目安はお弁当箱で考える

基本の食事バランスガイドは、健康な成人向けに作られており、おおよそ2200kcalを想定した料理が示されています。

あくまで健康な人向けですので、糖尿病、高血圧、肥満の人などは、目安が異なる場合がありますので注意が必要です。

 

基本的なお弁当箱は、主食、副菜、主菜の割合が3:2:1に仕切られており、これを目安にするとバランスが取れるようになっています。

 

食事バランスガイド(基本形)

基本形の食事バランスガイドは、2200kcal±200kcalでつくられています。

料理グループごとのSVは、主食5~7SV、副菜5~6SV、主菜3~5SV、牛乳・乳製品2SV、果物2SVとなっています。

主食:5~7SV

働き:エネルギー源

主な栄養素:炭水化物

ご飯、パン、めん、パスタ

1SV:おにぎり1個、食パン1枚

1.5SV:ご飯1杯

2SV:うどん、もりそば、ラーメン1杯

 

副菜:5~6SV

働き:体を調節する

主な栄養素:ビタミン、ミネラル、食物繊維

野菜、きのこ、いも、海藻料理

1SV:野菜サラダ、ほうれんそうのおひたし

2SV:野菜の煮物、野菜炒め

 

主菜:3~5SV

働き:体つくり

主な栄養素:たんぱく質

肉、魚、卵、大豆料理

1SV:目玉焼き、冷奴

2SV:焼き魚、刺身

3SV:ハンバーグステーキ、豚肉のしょうが焼き

 

牛乳・乳製品:2SV

働き:体つくり

主な栄養素:たんぱく質、ミネラル

1SV:ヨーグルト(1パック)、プロセスチーズ(1枚)

2SV:牛乳瓶1本分(約200ml)

 

果物:2SV

働き:体を調整する

主な栄養素:ビタミンC、ミネラル、炭水化物

1SV:みかん1個、もも1個、りんご半個

(みかんやバナナくらいの小さい果物1個は1つ、りんごなど大きい果物は2つ)

 

食事バランスガイド

  • ステップ1:まずは自分の摂取エネルギーの適量を出してみましょう。
男性エネルギー主食副菜主菜牛乳
乳製品
果物女性
6~9歳
70歳以上
1400~2000kcal4~5つ5~6つ3~4つ2つ
(子供は2~3つ)
2つ6~11歳
70歳以上
12~17歳
18~69歳
70歳以上
10~11歳
12~17歳
18~69歳
2200±200kcal
(基本形)
5~7つ5~6つ3~5つ2つ
(子供は2~3つ)
2つ 
12~17歳
18~69歳
2400~3000kcal6~8つ6~7つ4~6つ2~3つ
(子供は2~4つ)
2~3つ 

 

  • ステップ2

朝食・昼食・夕食・間食に食べたものを書き出してみましょう。

(28歳女性、活動両低い(1400~2000kcal)の場合。

朝食(ロールパン2個、卵入り野菜サラダ、カフェオレ、リンゴ1/2個)
料理主食副菜主菜牛乳
乳製品
果物
ロールパン2個1つ    
卵入り野菜サラダ 1つ1つ  
カフェオレ
(牛乳コップ1/2杯)
   1つ 
りんご1/2個    1つ

 

昼食(ご飯(普通盛り)、サケのムニエル、キノコのソテー、ミルクティ)
料理主食副菜主菜牛乳
乳製品
果物
ご飯(普通盛り)2つ    
サケのムニエル  2つ  
きのこソテー 1つ   
ミルクティ
(牛乳コップ1/2杯)
   1つ 

 

夕食(ご飯(普通盛り)、豚肉のしょうが焼き、豆のサラダ、ヨーグルト
料理主食副菜主菜牛乳
乳製品
果物
ご飯(普通盛り)2つ    
豚肉のしょうが焼き  3つ  
豆のサラダ 1つ   
ヨーグルト   1つ 

 

結果、1日の各栄養素ごとに合計すると、

主菜が多いことがわかります!!

 

食事摂取基準

食事摂取基準は、日本人の大部分を対象に、性別・年齢別に適切な食事摂取量を示すもの。

実際にに給食管理や栄養管理で使用されています。

 

健康の保持・増進のために摂取する各栄養素やエネルギーの基準量

「日本人の食事摂取基準」は、健康な個人または集団を対象として、国民の健康保持。増進、生活習慣病の予防を目的とし、エネルギーおよび各栄養素の摂取量の基準を示すもので、厚生労働省の管轄のもと、5年ごとに改訂されます。

 

2015年度から2019年度まで使用される「日本人の食事摂取基準2015年度版」では、高齢化の進展や糖尿病等有病者数の増加を踏まえ、生活習慣病の予防については、発症予防だけでなく、重症化予防も視野に入れて策定が行われました。

 

摂取不足や健康障害の回避、生活習慣病の予防を目的とする。

新たに策定された指標された指標についても、生活習慣病の発症予防だけでなく、重症化予防を目的としたものになりました。

 

2015年版の食事摂取基準で策定したのはエネルギーと33種類の栄養素です。

エネルギーは、摂取の過不足の会費を目的とする指標が設定されました。

 

栄養素は、摂取不足の会費を目的とする指標、過剰摂取による健康障害の会費を目的とする指標、および生活習慣病の予防を目的とする指標から構成されています。

 

エネルギー早見表

食品を選ぶ際には、エネルギーを覚えておくと便利です。

代表的な食材の1食分当たりのエネルギーをご紹介しますので、活用してください。

 

穀類

食品名単位エネルギー(kcal)可食部重量(g)
ご飯・普通盛り中茶碗1杯252150
おにぎり1個12570
切り餅1個11750
食パン・6枚切り1枚15860
うどん・ゆで1杯252240
そば・ゆで1杯396300
スパゲティ・ゆで1皿396240

 

乳製品

食品名単位エネルギー(kcal)可食部重量(g)
牛乳コップ1杯141210
クリーム・乳脂肪1/4パック21750
ヨーグルト(無糖)1パック62100
プロセスチーズ1切れ8525

 

食品名単位エネルギー(kcal)可食部重量(g)全体の重量(g)
鶏卵(全卵)大1個865767
中1個795261
小1個714755
ウズラ卵1個181012
卵豆腐1個87110
ピータン1個13764

 

肉類

食品名 単位エネルギー(kcal)可食部重量(g)
牛肉牛肩ロース・脂身つき・薄切り1枚19160
牛サーロン・脂身つき・ステーキ用1枚501150
牛バラ・脂身つき・ブロック3個34180
牛タン・薄切り5枚32090
牛レバー・薄切り5枚132100
牛ひき肉・ふつう卵大13650
豚肉豚肩ロース・脂身つき。薄切り2枚15260
豚ロース・脂身つき・厚切り1枚395150
豚バラ・脂身つき・薄切り3枚23760
豚もも・脂身つき・薄切り4枚183100
豚レバー・薄切り5枚128100
豚ひき肉・ふつう卵大11850
鶏肉鶏ささみ1本4745/-
鶏手羽先1本9542/70
鶏手羽元1本5930/50
鶏むね肉・皮つき1枚334230/-
鶏もも肉・骨つき1本612300/380
鶏ひき肉卵大9350/-
その他ラム・チョップ1本12440/50
加工品ウィンナーソーセージ1本8025/-
ベーコン・薄切り1枚7318/-
ロースハム・薄切り1枚2915/-
コンビーフ1缶203100/-

 

魚類

食品名 単位エネルギー(kcal)可食部重量(g)全体の重量(g)
一般魚アジ1尾10281180
マイワシ1尾7444110
いさき1尾182143260
カレイ1尾95100200
サンマ1尾29198150
キス1尾222760
切り身魚カジキ1切れ153100 
キンメダイ1切れ160100 
サバ1切れ19880 
サケ1切れ160120 
サワラ1切れ212120 
ブリ1切れ308120 
タラ1切れ92120 
貝類アサリ(殻つき)10個113690
カキ(殻つき)1個111870
シジミ(殻つき)20個101560
ハマグリ(殻つき)5個3692230
ホタテ貝(殻つき)1個5475150
エビ・カニ・イカ・タコ類甘エビ(殻つき)5尾3035100
ブラックタイガー2尾98119140
イカ(スルメイカ)1杯87105150
タコ・ゆで足1本119120 
魚卵イクラ大さじ16825 
タラコ1/2腹7050 
明太子1/2腹7660 
刺身アジ4切れ7460 
甘エビ5尾202325
カツオ(秋獲り)3切れ9960 
マグロ・赤身5切れ7560 
マグロ・トロ4切れ20660 
ハマチ4切れ12260 
魚加工品マアジ・開き干し1枚14385130
サンマ・開き干し1枚18370100
塩ザケ・辛口1切れ15980 
シシャモ・生干し(輸入品)3尾8045 
サバ・水煮1/2缶190100 
ツナ・油漬け1/2缶10740 
ツナ・水煮1/2缶2840 
ウナギ(かば焼き)1/2枚19065 
さつま揚げ・小判1枚4230 
焼きちくわ(中)1本3630 
イワシのつみれ1個4035 

 

いも類・こんにゃく

食品名単位エネルギー(kcal)可食部重量(g)全体の重量(g)
さつまいも(中)1/2本306228250
さといも1個356070
じゃがいも・男爵(中)1個103135150
ながいも(中)1/4本146225250
板こんにゃく・製粉1/6枚350 
しらたき1/4袋350 

 

野菜類

  単位エネルギー(kcal)可食部重量(g)全体の重量(g)
緑黄色野菜オクラ5本134350
かぼちゃ1/16個123135150
小松菜(大)1/4束1285100
春菊1/3束2299100
ししとうがらし5本62325
トマト1個29150155
にら1/4束52425
にんじん1/2本287375
ピ-マン1個73035
ブロッコリー1/4株216475
ほうれんそう(大)1/4束1890100
淡色野菜枝豆10さや231730
かぶ(中)1個167790
キャベツ1枚1250 
きゅうり(中)1本117880
ごぼう(中)1/4本3350 
大根長さ10cm49270300
玉ねぎ(中)1個70188200
なす(中)1本167280
レタス(中)1枚430 
れんこん(中)1/3節375670

 

きのこ・海藻

食品名 単位エネルギー(kcal)可食部重量(g)全体の重量(g)
きのこえのきたけ1パック1985100
生しいたけ4枚84050
干ししいたけ5枚221215
ぶなしめじ1パック1690100
まいたけ1パック1490100
海藻焼きのり全形1枚63 
塩蔵わかめ1カップ分330 

 

豆製品

食品名単位エネルギー(kcal)可食部重量(g)全体の重量(g)
絹ごし豆腐1/3丁56100 
木綿豆腐1/3丁72100 
焼き豆腐1/3丁88100 
がんもどき(中)1個13760 
生揚げ1/4丁7550 
納豆1パック10050 
油揚げ1枚8220 

 

果実類

食品名単位エネルギー(kcal)可食部重量(g)全体の重量(g)
アボガド1個327175250
いちご大3粒277880
オレンジ1個53135225

 

症状別にわかるトクホの表示・成分ガイド

気になる症状を改善するために、トクホを利用するのもよいでしょう。

トクホとは何か、どのトクホがどのような症状に効くのかを紹介していきます。

基準を満たすことで表示が可能、トクホは消費者庁の許可が必要。

保健機能食品とは、医薬品と一般食品の中間に位置するもので、一定の基準を満たすことで、食品の栄養成分の機能性表示が許可されている食品のことです。

保健機能食品が、厚生労働省により2001年に制度化され、2009年からは消費者庁に制度が制度が移管されています。

保健機能食品には、特定保健用食品(トクホ)、特別用途食品、栄養機能食品、機能性表示食品があります。

このうち、主に健康な人や、健康が気になる人に向けて、栄養に関する表示をしているものは、トクホ、栄養機能食品、機能性表示食品です。

特別用途食品は、少し用途が異なるもので、乳幼児や妊産婦、病者の健康の維持や回復の為の食品のことです。

トクホと、特別用途食品については、その安全性・有効性を消費者庁が認めたというマークが付けられています。

これに対し、栄養機能食品や機能性表示食品は、消費者庁の許可が必要ありません。

症状別にトクホの表示と成分と商品名を紹介します。

期ににある症状があるときなどには、表示を確認し、改善が期待される商品を選びましょう。

症状別・これまでに認められているトクホ表示と関与成分と商品例
症状表示内容関与成分と商品名
便秘・下痢おなかの調子を整える食品イソマルトオリゴ糖・・・オリゴタイム(昭和産業)
乳酸菌・・・ヤクルト400LT(ヤクルト)
植物繊維・・・大麦若葉(ヤクルト)
脂質異常(高LDL)コレステロールが高めの方に適する食品キトサン・・・コレスケアキトサン青汁(大正製薬)
植物スてロール・・・ヘルシーコレステ(日清オイリオ)
脂質異常(中性脂肪)食後の血中の中性脂肪を抑える食品ウーロン茶重合ポリフェノール・・・黒烏龍茶(サントリー)
難消化性デキストリン・・・賢者の食卓(大塚製薬)
貧血ミネラルの吸収を助ける食品ヘム鉄・・・プルーンゼリー(アサヒフードアンドヘルスケア)、
ヘム鉄飲料ルーナ(JT)、フェミニーナ(ファンケル)
骨粗鬆症 骨の健康が気になる肩に適する食品大豆イソフラボン・・・黒豆茶(フジッコ)
カルシウム・・・マルハフィッシュソーセージ (マルハニチロ)
肥満 体脂肪が気になる方に適する食品茶カテキン・・・ヘルシア緑茶(花王)
オリゴ糖・・・ブレンディ香るブラック(味の素ゼネラルフーツ) 
高血圧 血圧の高めの方に適する食品ラクトトリペプチド・・・カルピス酸乳/アミールS(カルピス)
杜仲葉配糖体・・・杜仲源EX(小林製薬) 
血糖値が高い 血糖値が気になる方に適する食品難消化性デキストリン・・・健茶王(カルピス)
ポリフェノール・・・ヤクルト蕃爽麗茶(ヤクルト) 
虫歯 虫歯の原因になりにくい食品マルチトール・・・キシリトールガム(ロッテ) 
歯の健康維持に役立つ食品CPP-ACP・・・リカルデント(モンデリーズ・ジャパン)

 

肥満度判定表

肥満が問題となるのは、生活習慣病を代表するさまざまな病気の引き金になるからです。

判定方法を覚えて肥満を予防・改善しましょう。

肥満の主な原因は過食と運動不足、正常範囲を維持し生活習慣病予防

脂肪組織が体内に過剰に増加した状態を肥満と言い、高血圧や糖尿病、脂質異常症、痛風、脳卒中および心臓病など、生活習慣病を引き起こす大きな原因の1つになります。

病気が原因で肥満を来す場合もありますが、大部分は過食や運動不足などからくる肥満です。

肥満度は、日本肥満学会が示す基準や身体と体重から計算するBMIという体格指数を用いた肥満度判定表(日本肥満学会)により、

4つの段階に分けられます。

BMIはエネルギー過不足を判断するという意味でも重要な指標です。

正常範囲を維持して、生活習慣病を予防します。

肥満度判定表
BMI判定
18.5未満低体重
18.5~25未満普通体重
25~30未満肥満(1度)
30~35未満肥満(2度)
35~40未満肥満(3度)
40以上肥満(4度)
BMI=体重(kg)÷((身長(m)×身長(m))

 

栄養学って何?

食事から取り入れた栄養素は、

私たちの体内でどのように働き、

私たちの健康を守っているのかを考える。

食生活や医療に役立て、健康の維持・倍増に寄与する

栄養学は、食事や食品の中の成分である栄養素が、整体似合いでどのように利用され、影響しているのかを研究する学問です。

その目的は、食事と健康、あるいは病気との関係を研究することで、食生活や医療分野に役立て、健康の維持・増進や回復に寄与することになります。

栄養学には、生理学や生化学、生物、病理学、臨床栄養学などの医学・科学分野をはじめ、公衆衛生など栄養と社会との関連を調べる社会環境分野、調理・加工や食品の流通を考える食品加工分野など、さまざまな領域の学問が関係しています。

我が国の栄養学は、1941(大正3)年に、佐伯矩によって開設された栄養研究所において栄養に関する講義が行われ、「何を、いつ、どれくらい」食べたらよいのかを研究することから始まりました。

その後、食事と生活習慣病との関わりが明らかになり、食事と病気との関係を研究する疫学研究が盛んに行われてきました。

近年は、食品成分の健康に対する作用が次々と解明され、健康食品としての食品の機能が認識されるようになりました。

健康とは体力、活力があり、病気に負けない状態にあること

健康について、WHO(世界保健機関)の憲章では、次のように定義しています。

「肉体的、精神的及び社会的に完全に良好な状態であり、単に病気ではないとか、虚弱ではないということではない」

つまり、体力や回復力があり、やる気と活力にあふれ、ストレスや病気に負けない状態にあることが健康だというのです。

私たちの体は、、約60兆個の細胞の集合体で、そのうちの約1兆個は日々生まれ変わっているといわれています。

例えば、消化管上皮細胞は約24時間、皮膚の細胞は約28日で新しく入れ替わっています。

生まれ変わる細胞の材料となるのが、私たちが食事から摂取した食物に含まれる栄養素です。

体に入った栄養素がどのような過程をたどり、私たちの身体を作るのか。

これを理解することが健康維持への第一歩です。

健康を保つための体のしくみ

私たちの体には、外部の環境変化に対して体の内部状態を一定に保っていこうとする調節のしくみがあります。

これを恒常性の維持(ホメオスタシス)といいます。

ホメオスタシスは栄養素や酸素を吸収し、不要な物質を体外に排出することで成り立っています。

  • 厚いときは汗をかいて体温を下げようとする。
  • 寒い時は身震いして体温を上げようとする。
ホメオスタシス

体温、血圧、血糖、体液の浸透圧、サン・アルカリのバランス、傷の修復、微生物やウィルスなどの排除、など

細胞の寿命
細胞の種類寿命
脳神経死ぬまで
心臓死ぬまで
消化管上皮細胞24時間
皮膚28時間
筋肉細胞60日
骨細胞数年~数十年
赤血球120日
肝臓200日
膵臓1年

 

栄養と栄養素

体内に入った食物は、栄養素として、

消化、吸収され、代謝を通して

私たちの体を支え、調子を整える。

栄養とは、食物の栄養素を生命維持に役立てる営み

私たちは声明を維持すっるために、外界から必要な物質を取り入れ、その物質をエネルギーや体の組織作りなどに利用し、不要な物質を排出するという一連の活動をしています。

この生命の営みを「栄養」と言います。

そして、栄養の為に外界から取り入れる物質を「栄養素」と言います。

食べ物に含まれる栄養素は、胃や腸などの消化管で消化・吸収され、分解や合成など複雑な化学反応(代謝)を経て、エネルギー源や体の維持、成長などに役立てられます。

生きていくためには、常に食事から栄養素を取り込まなければなりません。

栄養という営みが生命を支えているのです。

五大栄養素の体内での主な働きは3つ

栄養学では、栄養とは区別して使います。

たとえば、食べ物に関して「栄養がある」というのは誤りで、この場合は「栄養素が豊富に(あるいは十分に)含まれている」と言います。

栄養素の体内での働きには、①エネルギーになる、②身体を作る、③体の調子を整える、の3つがあります。

人に必要とさ45~50種類の栄養素のうち、一般的にエネルギーになるのは、糖質、脂質、たんぱく質で、この3つを『三大栄養素」と言います。

さらに、第2のエネルギー源として、体脂肪を分解してできるケトン体があります。

山で遭難したり、絶食したりしても生きていられるのは、このケトン体を利用するからです。

脂質とたんぱく質には、体をつくる働きもあります。

この三大栄養素にビタミンとミネラルを加えたものが「吾大栄養素」です。

ビタミンとミネラルには体の調子を整える働きがあり、カルシウムのように骨や歯を作るもとになるものもあります。

このほか、栄養素には含まれませんが、抗酸化作用や免疫力向上作用などの機能で注目される。

食物繊維やポリフェノールなどのフィトケミカル、さらに水も重要な成分です。

栄養素の代謝

生きていくための生命現象と、

身体活動に必要なエネルギーを

三大栄養Sから生み出す。

基礎代謝と身体活動でエネルギーは使われる

私たちが生命活動を維持するためにはエネルギーが必要です。

何もせずにじっとしているだけでも、心拍や呼吸、体温の維持の為にエネルギーが使われています。

この生きていくために消費される必要最小限のエネルギーを基礎代謝と言います。

平均的な基礎代謝量は、成人男性がおよそ1500kcal程度、成人女性がおよそ1200kcalとされています。

このエネルギーは、安静状態で使われるものだけなので、家事や仕事、運動など日常生活の活動によって消費量は増えます。

私たちは、これらの身体活動に必要なエネルギーを食物中の栄養素から得ることになります。

この栄養素から体に必要な様々なエネルギーを生み出すさまざまな反応のプロセスを代謝と言います。

三大栄養素からエネルギー1分子ATPが生み出される

栄養素のうち、エネルギー源となるのは糖質、脂質、たんぱく質の三大栄養素です。

それぞれの栄養素は、体内に吸収されたあと、分解、酸化されて化学エネルギーを発生します。

このエネルギーは、アデノシン三リン酸(ATP)という分枝に蓄えられます。

ATPは、核酸の構成分子アデノシンにリン酸基が3個結合したリン酸化合物で、その結合部分にエネルギーが保存されます。

ATPからリン酸基が1個外れてアデノシン二リン酸になるとき、約7.3kcal/molのエネルギーが放出されます。

糖質、脂質、たんぱく質が分解、酸化される過程で、エネルギー分子ATPが産生されるのは、解糖系とTCA回路(クエン酸回路)においてです。

エネルギー源が糖質の場合はグルコース(ぶどう糖)、脂質の場合は脂肪酸、たんぱく質の場合はアミノ酸がそれぞれ原料となります。

これらのエネルギーが変換され、体温維持や運動などのエネルギーとして使われます。

 

栄養素の欠乏と過剰

栄養素は互いに協力し合って働く。

1つでも過不足があれば健康障害に。

バランスよく適量摂取で健康を維持。

たんぱく質不足が招く栄養失調症

栄養素やエネルギーが不足すると欠乏症が、とり過ぎれば過剰症が起こります。

たとえば、たんぱく質が不足すると、貧血や痩せを招いたり、免疫力の低下からびゅきにかかりやすくなったりします。

たんぱく質とエネルギーが著しく不足した栄養失調状態をPEMといい、マラスムスが知られています。

PEMはわが国でも、病気や施設に入院・入所している高齢者や、極端なダイエットをしている若年女性にみられることがあります。

一方、エネルギーは足りているものの、たんぱく質が不足して起こる栄養失調はクワシオルコルです。

必要量は微妙でも、ビタミンやミネラルも、不足するとさまざまな病気に繋がり、体の正常な機能が損なわれます。

摂り過ぎたエネルギーは脂肪として体に蓄えられる

代表的な栄養素の過剰症は肥満です。

エネルギーや脂質を摂り過ぎると、消費されなかったエネルギーが中性脂肪となって蓄積され、肥満になります。

とくに肝臓など内臓の周りに脂肪がつく内蔵脂肪型肥満は、メタボリックシンドロームのリスクを上げることから問題となっています。

体をつくる重要な働きをするたんぱく質が過剰となるのは、肝臓や腎臓の機能障害があるときです。

また、サプリメントの不適切な使用により、ビタミンやミネラルが過剰になると、健康障害を起こすことがあります。

クワシオルコルとマラスムスの違い

マラスムスでは、エネルギー、たんぱく質ともに不足しているのでやせ形になりますが、クワシオルコルはエネルギーは足りているが、たんぱく質が欠乏した状態であるため、大きく膨れたお腹が特徴となります。

 

主な栄養素の欠乏症と過剰症

欠乏症
エネルギー・たんぱく質マラスムス(体重:体脂肪、骨格筋減少、発育遅延)
たんぱく質クワシオルコル(浮腫、腹水、免疫力低下、低アルブミン結晶)
ビタミンA視覚障害、とり目、免疫力低下
ビタミンDくる病(子供)、骨軟化症(成人)、(日光の商社が少ないと欠乏することもある)
ビタミンB1脚気、ウェルニッケ脳症、(糖質の多い食事、アルコールの過剰摂取で不足)
ナイアシンペラグラ(皮膚炎、下痢、精神神経障害)
ビタミンB12悪性貧血、神経障害、うつ病、慢性疲労、(菜食主義者で不足がち)
葉酸胎児の神経管閉鎖障害(妊娠)、巨赤芽球性貧血
ビタミンC壊血病、皮下出血
カルシウム骨軟化症、骨粗鬆症、発育不全、テタニー(筋肉の硬直やけいれん)
鉄欠乏性貧血(ヘモグロビンの減少)、発育不全
亜鉛成長障害、味覚障害、皮膚炎、生殖異常

 

過剰症
ビタミンA頭痛、吐き気、めまい、脳脊髄液篤上昇、胎児の奇形。慢性化すると骨、皮膚の変化、肝臓の異常
ビタミンD高カルシウム血症(食欲不振)、腎障害、軟組織の石灰化
カルシウム軟組織のカルシウム沈着による石灰化、腎臓結石、ミネラルの吸収阻害
マグネシウム高マグネシウム血症(腎臓機能低下時)、下痢
リン高リン血症(腎臓機能低下時)、カルシウムの吸収阻害
鉄沈着症(大量輸血時、遺伝)、胃腸障害
ヨウ素甲状腺腫
ナトリウム口渇、浮腫、高血圧、腎障害

 

  • facebook
  • twitter
  • ameba
  • line@
  • エキテン
  • Instagram
ページ上部へ