香り成分の硫化アリルが様々な生活習慣病を予防
玉ねぎ含まれる、目や鼻にツンとした刺激を与える香り成分は硫化アリルで、抗酸化作用があり、生活習慣病の予防に効果を発揮します。善玉コレステロールを増やし、悪玉コレステロールを減らす働きや、血栓をできにくくする作用があり、高血圧、動脈硬化、脳血栓、脳梗塞等を予防します。
また、硫化アリルはビタミンB1を体内に長く留め、吸収を促進する働きがあります。ビタミンB1は糖分をエネルギーに変える代謝にかかわり、不足すると、疲労、食欲不振、不眠、イライラ等が起こるので、硫化アリルとビタミンB1の多い豚肉などの食品の組み合わせはおすすめです。
硫化アリルは、長時間加熱すると甘味の強い成分に代わるので、効率よく摂るなら生食がよいでしょう。
期待できる効果
- 硫化アリルによる高血圧や動脈硬化、脳血栓、、脳梗塞などの予防
- ビタミンB1とのコンビで、疲労回復や食欲増進
DATA
‣主な栄養成分 | (可食部100gあたり) |
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エネルギー | 37kcal |
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鉄 | 0.2mg |
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カルシウム | 21mg |
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カリウム | 150mg |
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ビタミンA(レリノール活性当量) | 微量 |
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ビタミンC | 8mg |
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ビタミンE | 0.1mg |
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食物繊維 | 1.6g |
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‣科、属 | ユリ科ネギ属 |
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‣和名 | 玉葱 |
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‣原産地 | 中央アジア |
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‣主な産地 | 北海道、兵庫県、佐賀県など |
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‣おいしい時期 | 12月~1月(玉ねぎは4~5月) |
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黄玉ねぎ
薄茶色の皮の通年出回っている玉ねぎ。収穫後に表皮を1か月ほど乾燥させてから出荷させるため、保存性が高い。
選び方
- 頭の部分が細く、固く締まって重みのあるもの
- 皮がよく乾燥していてツヤのあるもの(新玉ねぎを除く)
- 芽が出ていたり、ひげ根が長く伸びている物は鮮度が落ちているので避ける
品種群
新玉ねぎ | 3~4月に出荷される早どり玉ねぎの総称。みずみずしくて辛みが少ないので生食向き。痛みやすいので野菜室に保存し早実に食べる。 |
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ペコロス | 『小玉ねぎ』、『ペティオニオン』とも呼ばれる直径3~4cmの小さな玉ねぎで、甘味が強い。形を生かして丸ごと煮物やつけ合わせに使われる。 |
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赤玉ねぎ | 表皮も中の皮も赤紫色をしている玉ねぎで、『レッドオニオン』『紫玉ねぎ』とも呼ばれる。『アーリーレッド』『湘南レッド』などの品種がある。甘味と水分が多いので生食向き。 |
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パールオニオン(パープル) | 光沢のある皮に包まれた小さな玉ねぎ。白色や赤色などもある。こまかく刻んで炒め物などに。 |
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葉玉ねぎ | 玉の部分が膨らみかけたくらいの早い時期に葉月のまま収穫した玉ねぎ。みずみずしくて辛みはおだやか。葉の部分もやわらかく、ねぎと同じように食べられる。 |
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サラダオニオン | 『白色ねぎ』とも呼ばれ、甘味があり、辛みが少ないので、サラダなどに最適。葉の部分は味噌汁や鍋物に使える。 |
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おすすめの食べ合わせ
+豚肉やレバー(ビタミンB1) | 疲労回復 |
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+鮭(DHA‣EPA) | 高血圧‣動脈硬化予防 |
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抗酸化力の高い硫化アリルを効率的に摂るには?
玉ねぎに含まれる硫化アリルは熱に弱く、水に溶けやすい性質があります。効率よく摂るためには、水にさらさず、サラダやオニオンスライスなど生食をおすすめします。辛みが苦手で水にさらす場合には、2~3分程度に留めておきましょう。
また、玉ねぎを切った後15分ほど空気にさらすことで加熱しても硫化アリルの働きが失われにくくなるので、加熱調理の場合には切って時間をおいてから調理するようにしましょう。
保存方法
- ネットに入れてつるしたり、紙幣や新聞紙に包んで風通しのよい場所に置いておく。夏は新聞紙に包んで野菜室へ。新玉ねぎは痛みやすいので野菜室で保存する。
- みじん切りにして炒めたものを小分けにして冷凍保存して多くと、料理にすぐに使えるから便利。
下ごしらえと調理のコツ
- 玉ねぎを切ると、硫化アリルが発揮して目や鼻の粘膜を刺激するため涙がでる。切る1時間くらい前に玉ねぎを冷蔵庫で冷やしてから切ると、硫化アリルの発揮を抑えられるので涙が出にくくなる。よく切れる包丁を使って短時間でサッと切るのもポイント。
- 加熱用には繊維に沿って切ると水っぽくならず、うま味を残す事が出来る。生で食べるときは、繊維を断ち切るように切ると食感がソフトに。
- 生の玉ねぎの辛みやえぐみをしっかり消したいときは、塩を振ってよくもみ、さらに水を加えて5分ほどさらしてから洗い流すとよい。
- 薄切りやみじん切りにした玉ねぎをラップで包み、電子レンジで色づくまで、様子を見ながら約2分ずつ加熱すると、甘味のある玉ねぎが手軽に作れる。スープやハンバーグ、ミートソース等に便利に活用できる。