このプログラムを実行した人たちは、「それまで自分にとって可能なこととは思いもしなかったレベルに到達できた」と言う。
身体的にどんなことでもできると思えるようなプロのアスリートでさえ、新たなレベルに到達できたと言っている。
一般的なトレーニングプログラムの問題はすぐに壁にぶつかってしまうとことろにある。
すぐに”ワークアウト・ラット”状態に、つまり決まった同じエクササイズを繰り返すだけで、それ以上自分の身体に挑戦することを忘れてしまうようになる。
トレーニングを始める前から、「これくらいしか自分の身体は柔らかくならないだろう」「これくらいの筋力にしかならにだろう」と決めつけてしまっている。
人は”普通”であることに磨きをかける技については名人級なのだ。
あなたは自分のパフォーマンスを最大限に向上させるために、「コア誓約書」にサインをしたのだから、新たなレベルへの努力を惜しまないはずだ。
だから決して「できない」とは言わないでほしい。
私を不機嫌にさせ、いらだたせるのは「そんなこと、私にできるわけがない」という言葉だ。
そう言っている時間があるのなら、できることを見せてほしい。
これまでの古典的なトレーニング方法がどれくらい効率の悪いものなのか、そしてどうして多くの人々が自分の身体の潜在能力のほんの入り口のところをノックしただけで終わってしまうのか、これからお見せしよう。
このプログラムの背景にある科学と哲学についても説明したい。
どのようにあなたの身体は働いているか、よりよいパフォーマンスのためにはどのようにトレーニングするのがベストなのか、より深い理解をしてほしい。
単に見栄えのよい筋肉と体脂肪の少ない身体をつくるのではなく、「ファンクショナル・ムーブメント」、つまり機能的な”動き”をトレーニングすることが極めて重要になる。
外見に対して強い執着をもって生まれてくる者はいない。
それよりもむしろ動きを自分のものとし、自由に、思いっきり生きたいという欲求を受け継いできている。
このプログラムを通じて、新しい動きが早くできるようになりたくて仕方ない、歩き始めの子供を自分の中に再発見してほしいのだ。
ストレッチやウェイトリフティング、カーディオトレーニングに至る古典的トレーニングは、身体が必要とする関節の支持力や持久力を得たり、新しいチャレンジをしたりするために始められたものではない。
これまでの鏡の前で格好よく見せるために費やしてきた時間があれば、もっと爆発的なパワーを持ち、もっと柔軟に、もっとしなやかに、そして機能的な身体になるようトレーニングできる。
あなたが最近流行のエクササイズに従って何年鍛えたとしても、少年時代の身体を動かすことの喜びを取り戻したり、パワフルなスポーツ科学の世界への扉をたたいたりすることはあり得ないだろう。
その結果、効果のないトレーニングを続けたり、人生の質を左右するほど重要な動きや身体の部分や関節を無視したトレーニングを続けたりすることになるかもしれない。
かしこい身体をつくる
大多数の人はワークアウトに対して受動的なアプローチをする。
コーチやジムのトレーナーは若い人たちに対して、「何々をせよ」と指示する。
大人たちはパーソナルトレーナーを雇って、自分が何をしているかじっくり考えなくてもすむようにしている。
せいぜい体重を減らすため、ほっそりした身体をつくるため、あるいはその両方のために運動しているのだというくらいにしか認識しかしてない。