コアコーディネーションの方法
コアコーディネーョンは姿勢調節や協調性の改善“ボディコントロール”を目的としたエクササイズで、コアスタビライゼーションに引き続き行われる。
発育発達の過程に沿って進められるエクササイズにより、合理的でコントロールされた動きを獲得していく。
ストレッチポール以外に、バランスポールやバランスディスクなどツールを替えることで難易度に変化をつけることができる。
(1)寝返りエクササイズ
アッパーローリングとロアーローリングのエクササイズがある。
アッパーローリング
フォーム:
床に側臥位に寝て脚を自然に曲げた状態で置き、体幹を安定させる。
体と平行にストレッチポールを置き、上側の腕をストレッチポールに垂直に乗せる。
エクササイズ:
ストレッチポールを押しながら上部体幹を大きく回旋させる。
ストレッチポールを引きながらもとの位置に戻る(寝返り動作をイメージし、側臥位ローリングよりも大きく体幹を回旋させる)
ポイント:
骨盤は安定させ前や後ろに傾けない。
上部体幹と一緒に骨盤が回旋しないように注意。
脊柱が真っすぐになるように頭や腰の部分にクッションを入れてもよい。
ロアーローリング
フォーム:
床に側臥位に寝て脚を自然に曲げた状態で置き体幹を安定させる。
体と平行にストレッチポールを置き、大腿部をストレッチポールに対して垂直になるように乗せる。
エクササイズ:
ストレッチポールを押しながら下部体幹を大きく回旋させる。
ストレッチポールを引きながら元の位置に戻る。(寝返りをイメージし、側臥位ローリングよりも大きく体幹を回旋させる)
ポイント:
胸郭は安定させ前や後ろに傾かない。
下部体幹と一緒に胸郭が回旋しないように注意。
脊柱が真っすぐになるように頭や腰の部分にクッションを入れてもよい。
(2)うつ伏せエクササイズ
「胸椎の伸展」と「腹這い」のエクササイズがある
胸椎の伸展
フォーム:
ハーフカットの平面を下にすうように縦に2本並べ、両手両足を自然に広げるようにうつぶせに寝る。
エクササイズ:
両肘で軽く支え、胸椎あたりまでポールから離れる程度に頭を上げ、数回繰り返す。
ポイント:
顎を上げるのではなく、胸を反らすように行う。
胸や骨盤のあたりにストレッチポールが当たって痛いようなら、ハーフカットを上下逆にするかタオルを敷くとよい。
腹這い
フォーム:
ハーフカットの平面を下にするように縦に2本並べ、両手両足を自然に広げるようにうつぶせに寝る
エクササイズ:
顔を左右どちらかに向け、同じ方向の肘と膝を引き寄せるように屈曲させ身体の横で合わせる
同じ動作を左右交互に行う
ポイント:
側屈や回旋の運動範囲を、身体がストレッチポールから逸脱しない範囲とする
胸椎と股関節の動きを意識して行う
胸や骨盤のあたりにストレッチポールがあたって痛いようなら、ハーフカットを上下逆にするか、タオルを敷くとよい
(3)四つ這いエクササイズ
四つ這い片手上げ
フォーム:
ハーフカットの平面を下として平行に置き、両手両足をそれぞれのハーフカットに乗せ四つ這いになる
肩関節の下に手を、股関節の真下に膝を置き、目線を床の方向に落とし、バランスをとる
エクササイズ:
片手をポールから離して前方に拳上し、床と並行の状態で数秒保持する
同じ動作を左右交互に行う
ポイント:
上肢を上げるとき重心が大きく動いたり、腰椎の伸展が起きたりしないように注意する
(4)座位エクササイズ
骨盤の前後・左右の運動を行う
骨盤の前後の運動
フォーム:
椅子の座面にハーフカットの曲面を下に横向きに置き、上を向いている平面の中心に坐骨を乗せて座る
エクササイズ:
自分のへそを見るように背中を丸め、次に目線を斜め天井の方向へ向けながらへそを前へ出して背骨を反らす
この時、骨盤が前後に自然に傾斜することを感じ、体の中心線を探すようにする
ポイント:
体幹伸展時は腰椎のみを反らすのではなく、脊柱全体の伸展と骨盤の全景を意識する
骨盤の左右の運動
フォーム:
椅子の座面にハーフカットの曲面を下にして縦に置き、上を向いている平面を座骨が乗るように座る
エクササイズ:
重心を左右に移動させ、体の中心線を探すように骨盤を左右に揺らす
始めは骨盤の動かせる範囲を確認するようにやや大きく動かし、そこから左右のバランスを整えるように、徐々に小さい動きに変化させ体幹の安定を感じる
ポイント:
腰・骨盤のみの運動にならないように、胸椎・股関節の動きにも意識を向ける
(5)膝立ちエクササイズ
両膝立ち
フォーム:
ハーフカットの平面を下に向け横向きに置く
その上に両膝を乗せて、つま先を立てた膝立ち姿勢になる
エクササイズ:
身体を丸めながらおしりが踵につく程度のところまでしゃがむ
このとき上肢を膝の上でクロスさせる
この状態から股関節を伸展させながら膝立ちとなる
このとき両手は深呼吸のように大きく開く
ポイント:
しゃがむ時に息を吐き、立ち上がるときに息を吸う
腰椎の過伸展が起きないように体幹を安定させ、胸椎を伸展させる
(6)片膝立ちエクササイズ
片膝立ちバランス
フォーム:
両足を前後に開き、片膝立ちになる
事前にハーフカットを2個用意し、1個は平面を下に向けて後ろ脚の膝を乗せ、1個は平面を上に向けて前足で踏む
エクササイズ:
期を吐きながらこの姿勢を保ち、前方のポールを揺らすように足を左右に動かす
脚を左右入れ替えて、逆も行う
ポイント:
足の動きに対して身体が揺れないように注意
(7)立ち上がりエクササイズ
片膝立ちからの立ち上がり
フォーム:
片膝立ちとなり、身体の前にストレッチポールを立て、軽く手を乗せる
エクササイズ:
ストレッチポールの端の部分に両手を置き、つかまりながら後ろ側の脚を前側の脚に揃えるように立ち上がり、立位姿勢になる
次に左右の脚を入れ替え、逆側の脚を後ろに引きながら、片脚立ちの姿勢へ戻る
これを繰り返し行う
ポイント:
立ち上がり時、身体が左右にぶれたりしないよう体幹をしっかり安定させる
スクワット
フォーム:
ストレッチポールを身体の前に立て、両足の膝とつま先が外側を向くようにしゃがむ
エクササイズ:
ストレッチポールにつかまったまま立ち上がる
このとき頭が腰の真上に来るようにし、つま先と膝が同じ方向に向くよう立ったり、しゃがんだりを繰り返す
立つ時もしゃがむときも、体幹をしっかり安定させる
ポイント:
前方に置いたストレッチポールに身体の中心を合わせるようにし、立ったりしゃがんだりする時に身体が前後・左右にぶれないように注意する