環境が変わり食生活も乱れがちに。
低温、低脂肪食を心がけ
定期的に健康チェックを
体と栄養/基礎代謝が低下する時期、栄養管理に気を配る
成人期は、身体機能が完成し、心身ともに充実した時期です。
身体的には基礎代謝量の増加が一段落し、成長期に比べて摂取エネルギーの必要量が減ります。
それまで身体の成長のために使われていたエネルギーの消費が減るため、エネルギー過剰による肥満に繋がりやすくなります。
環境が様々に変わるか、ストレスや疲労が蓄積し、心身の不調を感じることも多くなります。
働き盛りを迎え、精力的に活動する一方で、休養不足や運動不足、不規則な食生活などにより、生活習慣病になりやすい時期でもあります。
低塩・低脂肪食を心がけるなど、若いことにも増して栄養管理には注意を払うことが大切です。
食生活/成人期から老化対策、抗酸化力のある野菜を食べる
老化は、身体の発育が終わる成人期の前半からすでに始まるといわれています。
この時期から、適量でバランスのよい食事と適度な運動を心がけ、生活習慣病を予防することが大事です。
また、体をさびつかせ、老化を進める活性酸素の害から守るために、抗酸化物質を十分に摂る事も重要です。
この時期は、外食やインスタント食品、調理済み食品に頼ることも多く、食塩や脂質が過剰でビタミンやミネラル、食物繊維などが不足した食生活になりがちです。
外食時にも、単品ではなく、低カロリーの定食か幕の内弁当などを選ぶ、パック詰めサラダなどを上手に組み合わせるなどして、栄養バランスに配慮しましょう。
この時期の問題
食生活の乱れ
社会人として忙しい日々が続き、夜遅い食事や外食、朝食の欠食など、食生活の乱れが一層目立つようになります。
飲酒の機会や飲酒量が増えるため、エネルギー過多や高脂肪食、野菜不足などが生じやすく、アルコールの摂り過ぎは肝臓に負担をかけ、肥満にもつながります。
飲酒は適量を守り、週2日は休肝日を設ける習慣をつけるようにしましょう。
特定健康診査(メタボ健診)や定期健診などを積極的に受け、健康状態を確認することも大事です。
食生活のアドバイス
抗酸化野菜を摂りましょう
抗酸化物質は、緑や赤、黄色といった色鮮やかな野菜や果実、香辛料などに多く含まれています。
彩りの良い緑黄色野菜を中心に、1日350g以上野菜を食べて、病気や老化から体を守りましょう。
β‐カロテン
ニンジンやカボチャなど。粘膜を強くし、免疫機能を維持する。
リコピン
トマトやスイカ、柿など。脂溶性成分で、強い抗酸化力がある。
クロロフィル
ほうれん草やピーマンなど。抗酸化力が強く、がん予防に有効とされる。
フラボノイド
バナナや玉ねぎ、レモンなど。免疫力の維持に働くフラボノイドが豊富に含まれる。
丼などの単品よりも定食を
かつ丼など肉類の丼ものはご飯の量が多く、塩分も多めになり、栄養が偏ります。
外食をするときには肉類が少なめの定食を選ぶのがベターです。
また、血圧が高めの人は、汁物を半分残したり、調味料を使用しないようにしましょう。
エネルギーの目安をつけておく
外食ではついエネルギーを多く摂りがちです。
太り気味の人は、エネルギーの目安として、コンビニのおにぎり1個が180~200kcalと覚えておき、1食600kcal程度にします。
また、量が物足りないと感じるときには野菜や海藻類などの小鉢をプラスするとよいでしょう。
成人期のエネルギー、栄養素の食事摂取基準
推定エネルギー必要量(kcal/日)
| 男 | 女 |
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18~29歳 | 2,650 | 1,950 |
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30~49歳 | 2,650 | 2,000 |
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50~69歳 | 2,450 | 1,900 |
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たんぱく質の推奨量(g/日)
| 男 | 女 |
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18~29歳 | 60 | 50 |
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30~49歳 | 60 | 50 |
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50~69歳 | 60 | 50 |
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