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野菜生活 - カイロプラクティック&スポーツストレッチ ひろお豊玉中整骨院

野菜生活

野菜の上手な活用法

「野菜」を始めよう

まずは1日350gの野菜を摂ってみよう野菜をどのくらい摂っているか
   日本人はどのくらいの野菜を摂っているか
   1日350gの野菜の種類
   1週間、毎日350gの野菜を摂ってみよう
  なぜ野菜・果物がいいのか?野菜や果物からどんな栄養素が摂取できるか
   食品のもつ3つの機能
 野菜をおいしく食べる調理の基本調理を始める前に切る用具の扱い
   軽量の基本
  野菜の下ごしらえ野菜を洗う目的と方法
   野菜を洗う際の注意点
   下処理のポイント
   よりおいしく食べる下処理のポイント
   アクの処理
  野菜の切り方野菜を切る際のポイント
   食感の違いを出す切り方
   基本の切り方
   ワンランクアップの切り方(飾り切り)
   すりおろす、たたく
  野菜の基本的な調理法野菜の調理
   野菜をおいしく食べる調理法
  味付けの基本と調味料の種類と特徴野菜料理の3つのポイント
   基本調味料の種類と特徴
   その他の良く使う調味料の種類と特徴
  おいしく食べる調味法だしの活用
   下味とは
   調味パーセントを覚える
   調味料比率【味付けの割合】を覚える
   料理をワンランクアップさせるには
  野菜をもっと知る部位、保存や調理によって
  野菜加工品の活用冷凍野菜の特徴と活用
   カット野菜の活用
   野菜の缶詰の活用
   漬物の特徴と活用
   乾物の特徴と活用
   干し野菜の作り方
   野菜ジュースの活用
 

目的別、野菜・果物の活用法

野菜の食べ方の工夫350gの野菜の組み合わせと栄養素
   野菜の栄養をむだにしない調理法
   健康寿命を延ばす献立の考え方
   野菜の機能を発揮できる食習慣
  ライフステージ別、野菜・果物との付き合い方ライフステージとは
   妊娠・授乳期(胎児期)の野菜・果物とのかかわり
   乳幼児期(0~5歳)の野菜・果物とのかかわり
   学童期(6~11歳)の野菜・果物とのかかわり
   思春期(12~18歳)の野菜・果物とのかかわり
   成人期(19~64歳)の野菜・果物とのかかわり
   高齢者(65歳以上)の野菜・果物とのかかわり
  体調不良時の野菜。果物の活用①かぜの症状と野菜・果物の活用
   頭痛の症状と野菜・果物の活用
   肩こりの症状と野菜・果物の活用
   便秘の症状と野菜・果物の活用
  体調不良時の野菜・果物の活用法②夏バテ・疲労の症状と野菜・果物の活用
   ストレスによる症状と野菜・果物の活用
   冷え性と野菜・果物の活用
   貧血の症状と野菜・果物の活用
   疲れ目の症状と野菜・果物の活用
  病気予防と野菜・果物の活用①肥満と野菜・果物の活用
   糖尿病と野菜・果物の活用
  病気予防と野菜・果物の活用②高血圧と野菜・果物の活用
   脂質異常症(高脂血症)と野菜・果物の活用
   がんの予防と野菜・果物の活用
  美容・肌トラブルと野菜・果物のの活用しみ・しわと野菜・果物の活用
   肌荒れと野菜・果物の活用
   日焼けと野菜・果物の活用
  アンチエイジングと野菜・果物の活用更年期障害と野菜・果物の活用
   ロコモティブシンドロームと野菜・果物の活用
食生活と野菜の栄養学理想的な野菜生活  
 野菜の栄養学  
野菜と果物の基礎知識野菜とは野菜や果物の定義と分類 
  野菜や果物の選びカット上手な保存の仕方 
 主な野菜・果物の基礎知識葉茎菜類と花菜類 

まずは1日350gの野菜を摂ってみよう

野菜をどのくらいとっているか?

1.野菜1日当たりの摂取量の目標値『350g』とは。

厚生労働省が推進する21世紀における国民健康づくり運動『健康日本21(第2次)』では、健康推進という観点から、成人1日当たり350g以上の野菜摂取を目標にしています。

2.まずは今の摂取状況を記録してみよう。

『野菜生活ダイアリー』などに記録してみましょう。

休日を含めた1週間を選んで、それぞれ何g摂っているかを記録してみると、あなたが野菜の摂取量がおおよそ把握できます。

 

日本人はどのくらい野菜を摂っているのか?

生野菜などは見た目にボリュームがあるので、たっぷり食べたように感じますが、意外に重量は少なく、例えばとんかつなどに添えてある千切りキャベツは、30~40g程度です。

1日350gの野菜の種類

1日350g以上の野菜の摂取で、その内訳は緑黄色野菜が120g以上、淡色野菜は230gです。

緑黄色野菜とは。

栄養価としては、原則として、『カロチン(β―カロチン当量)を可食部100g中に600μg以上含んでいる野菜』になります。

例えば、ほうれん草などの青菜や、ニンジン、かぼちゃや、ブロッコリーなどです。

トマトやピーマンなどのように栄養価が高く、普段から良く使われる野菜は、カロチン(βーカロチン当量)が600μg未満でも例外として緑黄色野菜に分類されます。

淡色野菜とは。

大根(根)やキャベツ、玉ねぎ、レタス、きゅうりなど、日ごろから色々な料理に使われる、とても身近な野菜の多くが淡色野菜です。

外側の色が濃くても、切って中が白いものは淡色野菜です。

大根やかぶは、白い根の部分は淡色野菜、葉は緑黄色野菜になります。

グリーンアスパラガスは緑黄色野菜ですが、ホワイトアスパラガスは淡色野菜に分類されます。

 

緑黄色野菜 淡色野菜
 βーカロチン当量600μg以上βーカロチン当量600μg以下  
 赤ピーマン アスパラガスうど 
 オクラトマト かぶ(根) 
かいわれ大根 青ピーマン カリフラワー 
かぼちゃ(西洋、日本) さやいんげん 黄にら 
小松菜 ししとうがらし 黄ピーマン 
サニーレタス  キャベツ 
しそ  ゴーヤ 
春菊  ごぼう 
大根(葉) セロリ
ちんげんんさい 大根(根)
にら たけのこ
にんじん 玉ねぎ
パセリ とうがん
葉ねぎ 長ねぎ
ブロッコリー なす
ほうれん草 白菜
水菜 もやし(緑豆)
三つ葉 レタス(土耕栽培)
芽キャベツ レンコン

 

1皿70~80g×5皿で350gの野菜が摂れる

お浸しやサラダなどは1皿70~80gがひとつの目安となります。

野菜炒めや煮物など野菜をメインにしたメニューであれば、2皿分の野菜がなす1度に摂れると考えます。

1日350gの野菜を摂るには、5皿分の野菜料理が目安となります。

 アスパラガス

20cm、約3本

小松菜

大、約1株

ちんげんさい

約1/2株

ブロッコリー

約1/4株

ほうれん草

約2株

かぼちゃ

中、約1/16個

トマト

中、約1/2個

ピーマン

小さめ、約2個

にんじん

約1/3本

キャベツ

中ほどの葉、約1と1/2枚

玉ねぎ

中、約1/3個

ねぎ

中、約1/2本

白菜

中ほどの葉、約1枚

もやし

1掴み分くらい、(1/3袋)

レタス

中ほどの葉、約2枚

きゅうり

約2/3本分

なす

12cm、約1本

かぶ

中、約2/3個

ごぼう

中、約1/3本

大根

厚さ約2cm、(直径約6cm)

 

1週間、毎日350gの野菜を摂ってみよう

実際に毎日350gの野菜を摂ろうとするならば、1日単位だけでなく、1週間単位で考えるのも効果的です。

1週間分の野菜を準備する。

緑黄色野菜は1日120gですから、7日分で840g。きりの良い850gとし、残りを淡色野菜と考えると、1日350g×7日分-850g(緑黄色野菜)=1600gです。

1日単位で考えると『大変!』と思える重量でも、1週間単位で考えてみると『これだけ?』という感じになります。

緑黄色野菜

850gの例

ブロッコリー 1株(250g)

トマト 2個(300g)

ほうれん草 小1束(200g)

ニンジン 小(100g)

淡色野菜

1600gの例

キャベツ 小1/4個(200g)

もやし 1袋(200g)

ねぎ 小1本(100g)

レタス 1個(300g)

きゅうり 3本(300g)

大根 小1/2本(500g)

(緑黄色野菜)

入れ替え野菜の例

かぼちゃ 小1/4個(200g)

ピーマン 2と1/2個(100g)

小松菜 3株(200g)

かぶの葉 大1株分(100g)

(淡色野菜)

入れ替え野菜の例

セロリ 1本(150g)

玉ねぎ 1個(200g)

白菜 1/8株(350g)

なす 中1と1/2個(100g)

かぶ 中1個(100g)

 

野菜をたっぷり食べる工夫
  • きっただけ、ゆでただけでもOK。ドレッシングやタレなどを工夫して味にバリエーションをつける
  • キャベツは食べやすく切ってから熱湯を回しかけてかさを減らす。しんなりするので食べやすく、また味も絡みやすい。(電子レンジで加熱してもよい。)
  • 大根などは皮をむいてからピーラーで薄くそぐ。加熱した時にしんなりとして食べやすくなる。
  • かぼちゃやイモ類は、電子レンジで柔らかくしてから、つぶしたものを保存しておけば、サラダや付け合せ、スープなどにアレンジできる。
  • 鍋物で旬の野菜をたっぷり摂る。

1日350gの野菜習慣で体も心もリフレッシュ!

1日350gの野菜を摂れるようになると、腸が快調になり、食事の量(かさ)が増えるので、間食も自然に減って体重のコントロールがしやすくなります。

食事の準備はいつもより少し大変かもしれませんが、想像していたよりも簡単に350gの野菜が摂れたのではないでしょうか?

体調の改善だけでなく、きっとイライラやモヤモヤが軽減し、心もリフレッシュされている事でしょう。

なぜ野菜・果物が良いのか?

野菜や果物からどんな栄養素が摂取できるのか

野菜や果物の摂取が健康管理に欠かせないことは頭では理解できていても、洗う・切るなど手間がかかる調理方法がwからない、価格が高いなどの理由から、なかなか摂取量が増えません。

野菜摂れる栄養素

(1)毎日の食生活と栄養素の関係

30~49歳女性(身体活動レベル1=低い)の食事摂取基準(1日当たり)

エネルギー蛋白質カリウムカルシウムビタミンAビタミンC食物繊維
1750kcal50g2000mg650mg10.5mg700μgRAE100mg18g以上

μgRAE=レチノール活性当量

 

1日の食品摂取量の例

 食品グループ摂取量
緑黄色野菜にんじん、ほうれん草、トマトなど120
淡色野菜大根、キャベツ、玉ねぎなど230
イモ類じゃがいも、さつまいも100
果物柑橘類、りんご、バナナなど200
その他乳・乳製品(250)、卵(50)、肉(50)、魚介(50)、豆・豆製品(80)、穀類(220)、油脂(15)、砂糖(10)725
合計1375

 

(2)野菜・果物はビタミン・ミネラルの供給源

野菜・果物・いも類はエネルギーの供給源としてはあまり貢献していませんが、ビタミンやミネラル(カリウム、カルシウム、鉄など)の供給源として欠かせない。

ビタミンA(βカロチン)は、緑黄色野菜から摂取が多いことがわかります。

βカロチンには体内にできてしまった活性酸素の掃除薬役として働く昨日(抗酸化作用)があります。

ビタミンAは、牛乳・乳製品、卵、肉、魚の内臓からも摂れますが、動物性食品に含まれるビタミンAには抗酸化作用はありません。

ビタミンCは、熱や光、水などに弱く、調理や保存の段階で損失されやすいビタミンです。

その点、果物は生で食べられるので損失はありません。

野菜・果物・イモ類から摂れる各栄養素の食事摂取基準に対する割合
栄養素緑黄色野菜野菜イモ類果物
エネルギー2.23.94.75.1
たんぱく質4.48.43.03.0
カリウム24.250.322.816.6
カルシウム10.220.61.44.0
11.412.43.82.8
ビタミンA11.410.106.9
ビタミンC48.035.030.064.0
食物繊維17.844.48.99.4

 

果物の摂取量の目安と実態

(1)果物摂取量の目安

『食事バランスガイド』(平成17年、厚生労働省、農林水産省)によると、果物は、毎日食生活の中で欠かせない食品として位置づけられ、1日に2つ、おおよそ200gを食べる事が目安になっています。200gとは、、みかんなら2個程度が目安です。

果物200g(可食部)を摂取するための目安数量
果物名目安数量果物名目安数量
うんしゅうみかん2個デコポン1個
りんご1個グレープフルーツ1個
日本なし1個バレンシアオレンジ2個
かき2個くり12個
ぶどう1房さくらんぼ40粒
もも2個すもも3個
キウイフルーツ2個西洋なし1個
なつみかん1個パインアップル0.3個
はっさく1個びわ6個
いyかん1個ばなな2本

 

(2)果物摂取量の現状

20~40歳代の摂取量が少なく、男女共60歳代以上の摂取量が比較的多いことがわかります。

目標値である1日200gにはどの年代も達しておらず、全体で平均約100g、目標値の半分であるのが実態です。

男性
総数20~29歳30~39歳40~49歳50~59歳60~69歳70歳以上
98.551.249.054.072.0129.9159.9

 

女性
総数20~29歳 30~39歳40~49歳50~59歳60~69歳70歳以上
115.771.063.279.2107.4159.9167.0

 

野菜・果物・いも類を摂る効果

野菜を摂る主な効用
効用理由(栄養成分など) 
生活習慣病の予防抗酸化ビタミン、カリウム、カルシウム、食物繊維、機能性成分
肥満予防低カロリーであること、食物繊維
ストレスに対する抵抗力ビタミンC、カルシウム
アンチエイジング抗酸化ビタミン、機能性成分
貧血改善

 

果物を摂る主な効用
効用 
美肌効果ビタミンC、食物繊維
減塩効果カリウム
ミネラルの吸収を助けるクエン酸
便秘改善食物繊維

 

いも類を摂る主な効用
効用理由(栄養成分など)
便秘改善食物繊維
生活習慣病の予防βーカロチン、ビタミンC、食物繊維
減塩効果カリウム
胃の働きを助けるアミラーゼ、ムチン

 

野菜・果物・いも類のメリット

野菜のメリット
  • バラエティー豊かな献立になる ⇒ さまざまな副菜ができる
  • 食卓の彩りを演出できる ⇒ 緑・赤・黄色などで食欲をそそる食卓になる。
  • 低カロリーで、食べごたえがある ⇒ 満腹感が得られるだけでなく、食後の糖の吸収もゆっくりになる
  • 季節感が味わえる ⇒ 季節に応じて旬の野菜が味わえる
  • 香り・食感が楽しめる ⇒ それぞれの野菜で香りや食感が異なり、また調理法によっても変化する

 

果物のメリット
  • そのまま食べられる(加熱の必要がない) ⇒ 栄養素の損失が少ない
  • 味付けが不要 ⇒ 油やドレッシングが不要なので、脂質の摂取が控えられる ⇒塩なども不要なので血圧上昇を防げる
  • 手軽に食べられる ⇒ 摂取しやすい
  • 水分や食物繊維が豊富 ⇒ お菓子などと比べ、低カロリーで、満足感も得られる

 

いも類のメリット
  • 満足が得られる ⇒ 肥満予防
  • 甘味やうま味がある ⇒ 薄味でもおいしく食べられる
  • 保存がきく ⇒ 常温で長く保存できる
  • 栄養素の調理損失が少ない ⇒ 保存中だけでなく、加熱した際のビタミンcの損失が野菜より少ない
  • 生で食べられるものもある ⇒ やまのいもは消化酵素を含んでいるので生で食べられる

 

食物の持つ3つの機能

3つの機能とは

  • 1次機能・・・『栄養的機能』とも呼ばれ、人が生命を維持し、成長し、活動を営む為に、栄養を供給する機能
  • 2次機能・・・『嗜好的機能』とも呼ばれ、味覚や嗅覚、食感(舌触り)、視覚(彩り)等の感覚に訴え、食欲をそそる機能
  • 3次機能・・・『生体調節機能』とも呼ばれ、免疫系・内分泌系・神経系・循環器系などに働き掛け、体調をよくする機能

野菜・果物は、1次機能としては、ビタミン、ミネラル、食物繊維などの供給源になり、また二次機能を充実させる為に欠かせない食材といえます。

1次機能(栄養的機能=生命の維持)とは

食品のもつ3つの機能の一番大切なのは、生命を維持するのに必要な栄養的機能です。

食品の持つ1次機能の栄養的機能=生命維持になります。

2次機能(嗜好的機能=感覚の充足)とは

(1)生理的に起こる食欲

主に、血糖値と胃壁の伸縮によってコントろーえうされており、おいしさというより量が満腹感を支配しています。

(2)感覚的に起こる食欲

料理を作る音や香り、色・雰囲気の良し悪しなど、食べる以前の要素がかなり割合を占めるといわれています。

それが”おいしそう”という記号を送れば、食べたときにおいしく感じるのです。

食事によって満腹感だけでなく、五感を満足を満足させ磨き上げていくことが、効果的な健康管理につながる。

野菜と果物の感覚を充足させるヨウ素
  • 彩り・・・赤・黄・緑・紫・白
  • 香り・・・にんにく・ハーブ・しょうが・にら・せろり・しそ・せり・みょうが・さんしょう・柑橘類
  • 食感・・・バリバリ・ヌルヌル・ポリポリ・ゴソゴソ・ねっとり・ネバネバ

三次機能(生体調節機能)とは

私たちの体には病原菌の感染を防ぐ免疫機能、体温を調節する神経機能、血液中のカルシウム濃度を一定に保つような内分泌機能など、様々な調節機能があり、その機能によって健康が保たれています、

三次機能の例
  • 血液の状態を正常化する(例えば、コレステロール値を下げるなど)
  • 整腸作用がある
  • 免疫機能を調節する
  • 高血圧を改善する
  • 不眠を解消する

日本の食文化と野菜

日本型食生活と野菜の関係

『日本型食生活』と『和食』

日本の長寿の秘訣として世界が注目しているのが日本型食生活、いわゆる和食です。

『和食』は、コメなど穀類の主食に、おかずとして魚介類を中心とした動物性食品、そして野菜類、豆腐、海藻類、キノコ類、イモ類、種実類といった豊富な食物性食品が多様に活用されている事が特徴です。

日本の風土が生み出した、野菜の多様な調理法

日本の水は口当たりが柔らかく、調理に適したまろやかな軟水が多いことから、数多くの食材を活用した多彩な調理法が編み出されました。

例えば、野菜をたっぷりのお湯でゆで上げ、調理した汁に浸す『お浸し』をはじめ、レンコン、ごぼうなどの『あく抜き』にも水は必要不可欠であり、日本ならではの調理法といってよいでしょう。

また、『煮る』は、世界でもポピュラーな調理法といえますが、日本の『煮もの』は、ビタミン、ミネラル、食物繊維を豊富に含んだ野菜を中心に、必要な栄養素をバランスよくカラダに取り込むことができる、『和食』を代表する料理の一人です。

『和食』で野菜のパワーをいただく

旬の野菜は鮮度がよくおいしいだけでなく、栄養価が高い、収穫量が多い。価格が安いなどまさに「いいことづくし」といえます。

セロリや山菜などの春野菜に含まれている『ほろ苦さ』は、寒いにたまった毒素を取り除いてカラダを活性化してくれる作用が期待できますし、

汗で水分が失われやすい夏には、水分の多いトマトや、カラダを冷やす作用のあるキュウリが旬を迎えます。

寒い冬には、カラダを温める作用のある大根やねぎなどが旬の野菜となります。

 

世界から見た『和食の素晴らしさ

『和食』がヘルシーである要因は、食材や調理法に加え、日本が世界に誇る伝統的な献立の基本形の一汁三菜にあります。

アメリカでは、心臓病などの原因が動物性脂肪の多い肉食が中心で、野菜不足の食事にありました。

1980年、アメリカでは、伝統的な日本食に根差した『日本型食生活』である『和食』を提唱するようになりました。

2013年には『和食』がユネスコ無形文化遺産に登録されました。

これをきっかけに、野菜を中心とした一汁三菜が基本形である「わしょく」が世界中でクローズアップされてきました。

 

『一汁三菜』の特徴

大きく分けて主食(ご飯)と副食(おかず)に分けることができ、副食は主菜・副菜とに分けられます。

主食のご飯は、食事量の全体の半分は摂りたいものですが、近年、主食のご飯よりも副食のおかず、特に『主菜』をたくさん食べる傾向にあります。

副菜を意識した食事のバランスを心がける事が必要です。

一汁三菜の基本となったのが、室町時代の貴族や武士階層の食事様式『本膳料理』です。

江戸時代後期に、この本膳料理が簡略化され、町人の間にも『飯・汁・菜』、そして、香物、という日常食に引き継がれ、日本の伝統的な食事様式となり、食べやすさや食事のバランスから生まれたのが『一汁三菜』です。

 

一汁三菜の特徴
主食ご飯、パンなど炭水化物は糖分を多く含み、エネルギー源として最も重要な役割があり、食物繊維も多いことから、食事全体の摂取量の中で主要なもの
副食主菜肉、魚、卵、大豆食品等をメインになるおかず蛋白質と脂質を多く含むもので、骨格・筋肉・細胞膜・血液成分等を構成する。
副菜主に、野菜・海藻・キノコなどを使ったおかず。ビタミン・ミネラルを多く含み、食物繊維も豊富。かぜや便秘予防・体の調子を整えてくれる栄養素を含む。
汁物具(野菜や海藻など)のたくさん入った味噌汁などみそに含まれる大豆の良質の蛋白質はもちろんのこと、ビタミン・ミネラルも同時に摂取できる。

 

1.野菜や果物の定義と分類

野菜の定義

  1. 田畑に栽培されること
  2. 副食物であること(副食物とは、主食ではなく、主食に添えて食べるもの。おかずのこと)
  3. 加工を前提としないこと(こんにゃくのように、いもをそのまま食べるのではなく加工を前提とするものは野菜としていない)
  4. 草本性であること(草本とは、地上部は1年以内に開花、結実して枯れ、茎は木のように成長しない植物)

野菜の主な分類と特徴

1.利用部位による分類

 1.葉菜類、2.茎菜類、3.花菜類、4.果菜類、5.根菜類、6.その他の野菜等

(1)葉菜類

主に葉の部分を食べる野菜を『葉菜類』と呼びます。

例、キャベツ、小松菜、春菊、チンゲン菜、ニラ、ねぎ、白菜、ほうれん草、レタスなど

(2)茎菜類

アスパラガスやたけのこなど、主に、茎の部分を食べる野菜や、玉ねぎやニンニクなど鱗茎の部分を食べる野菜を「茎菜類」と呼びます。

例:アスパラガス、たけのこ、玉ねぎ、にんにくなど

(3)花菜類

主に花やつぼみ、また、それらのついた花茎を食べる野菜を「花菜類」と呼びます。

例:カリフラワー、ブロッコリーなど

(4)果菜類

主に果実を食べる野菜のことを、「果菜類」と呼びます。かぼちゃやトマトなど完熟した果実のほか、なすや緑色のピーマン(青ピーマン)など、未熟なうちに収穫して食べる野菜もこのカテゴリーに含まれます。

例:オクラ、かぼちゃ、きゅうり、とうがらし、トマト、なす、ピーマンなど

(5)根菜類

主に土の中で成長する根や根茎を食べる野菜を「根菜」と呼びます。必ずしも植物学上の「根」だけではなく、地下茎、担根体である場合もあります。

例:かぶ、ごぼう、大根、にんじん、れんこんなど

(6)その他の野菜など

前述の5つの分類以外に、その他の野菜などには次のようなものがあります。

いも類やきのこ類、山菜、海藻類など併せて紹介します。

①もやしなどのスプラウト

もやしは、穀類や豆類、野菜の種を人工的にの発芽さたもので、発芽した芽と茎を食べます。スプラウトとは、発芽直後の植物の新芽のことを指します。

例:もやし、かいわれ大根、豆苗など

②豆類

収穫時期で分類が変わってきます。

  • 未熟なもの=野菜に分類
  • 完熟したもの=豆類に分類

例えば、枝豆は未熟なものは「野菜」に分類されますが、完熟すると大豆として「豆類」になります。未熟な若いさやを食用とするえんどうや未熟な利用するグリーンピースは「野菜」、完熟した豆を乾燥させたえんどうは「豆類」です。

例:枝豆、さやえんどう、空豆など

③香味野菜

料理に香りや風味、辛み、季節感をプラスする野菜を香味野菜と呼びます。食欲増進や整腸作用、殺菌・抗菌作用などの機能性にも優れています。

例:しそ、しょうが、にんにく、みょうが、わさびなど

④ハーブ

強い香りをもち、料理に用いるほか、薬草として生活のなかで役立つ植物のことをハーブと呼びます。

例:バジル、パセリ、ミント、ローズマリーなど

⑤いも類

植物の根や地下茎などにでんぷんが蓄えられて肥大したもので、主に食用とされている植物のことです。根菜類に分類されることもありますが、炭水化物を主成分とすることから、独立して「いも類」として扱われます。

例:さつまいも、里いも、じゃがいも、やまのいもなど

⑥きのこ類

きのこ類は、植物学的には野菜ではなく菌類に分類されます。日本には4,000種以上のきのこが自生しており、そのうち食用になるのは約200種類、市場に出回るのは20種類程度です。

食物繊維やビタミンB群・Dなどの栄養素が豊富で、一般的には野菜と同じように消費されています。

例:エリンギ、しいたけ、しめじ、まいたけなど

⑦山菜

山菜とは、野や山に自生する食用可能な植物のことで、畑など栽培された野菜とは区別されます。しかし、近年では食用を目的に人工的に栽培される山菜も増えています。

例:うど、こごみ、せり、ぜんまい、たらのめなど

⑧海藻類

海藻類も野菜には分類されませんが、野菜と同じくらい日常的に食べられています。エネルギーがほとんどなく、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄などのミネラルや、食物繊維が豊富なので、健康のためには積極的に摂りたい食品です。

 

2.栄養成分による分類

栄養成分による分類では、野菜は緑黄色野菜と淡色野菜に分けられます。厚生労働省の基準では、原則として可食部100gあたりのカロリン(βカロチン当量)含有量が600μg以上のものを緑黄色野菜、それ以外を淡色野菜と呼びます。ただし、トマトやピーマンのようにカロチン(βカロチン当量)含有量が600μg未満でも、一回に食べる量や食べる頻度が高く、カロチンの補給源となる野菜は緑黄色野菜に分類されます。

主な緑黄色野菜と淡色野菜
緑黄色野菜あさつき、オクラ、かぶ(葉)、グリーンアスパラガス、小松菜、さやいんげん、さやえんどう、大根(葉)ちんげんさい、トマト、なばな、にんじん、葉ねぎ、ピーマン(赤、青)、ブロッコリー、ほうれん草など
淡色野菜カリフラワー、かぶ(根)、キャベツ、きゅうり、ごぼう、セロリ、大根(根)、玉ねぎ、なす、長ねぎ、白菜、レタス(土耕栽培)、れんこんなど

 

3.植物的な分類

野菜は、消費する(調理する、食べるなど)側の立場でなく、植物としての特性で分ける分類方法もあります。初めて取り扱う野菜でも、科がわかれば調理方法のヒントが見つかるなど、この分類方法も知っておくと役にたちます。

科に折る主な野菜の分類
主な野菜
アブラナ科

かぶ、カリフラワー、キャベツ、小松菜、大根、ちんげんさい、白菜、ブロッコリーなど

ウリ科かぼちゃ、きゅうり、すいか、ゴーヤ、ズッキーニなど
ナス科じゃがいも、なす、トマト、とうがらしなど
せり科セロリ、にんじん、パセリなど
 ネギ科にら、にんにくなど 
マメ科いんげん、枝豆、えんどう、落花生など
キク科ごぼう、春菊、レタスなど
アオイ科オクラ、モロヘイヤ
ショウガ科しょうが、みょうがなど
ヒルガオ科さつまいも、空芯菜など
シソ科しそ、えがまなど
イネ科とうもろこしなど
ユリ科アスパラガス、玉ねぎ、ねぎなど
サトイモ科里いもなど
ヒユ科ほうれん草など
ゴマ科ごまなど

 

果物の定義と分類

農林水産省では、生産分野において「概ね2年以上栽培する草本植物及び、木本植物であって、果実を食用とするもの」を果樹として扱っています。

1.野菜と果物の区別

野菜と果物の区別(農林水産省・生産分野)
野菜田畑で作られる副食物で、加工を前提としない草本植物
果物数年にわたって収穫可能な永年生作物などの木本植物

これによると、いちごやすいか、メロン(一年生草本植物)は生産段階において野菜に分類されますが、一般には果物として消費されている為果実的野菜として雄使われます。

 

形状や食べる部位による分類

果物の分類

1.仁果類、2.準仁果類、3.核果類、4.液果類、5.穀果類

(1)仁果類

花の付け根にある花托という部分が発達して果実になったもので、その部分を食べます。中心部に種子がある果物です。

例:かりん、梨、びわ、りんごなど

(2)準仁果類

子房が果肉に発達したもので、薄皮の中の多汁質の果肉を食べる果物です。中心部に種子が集まっています。

例:柿、柑橘類(グレープフルーツ、みかん、レモン)など

(3)核果類

子房の内果皮が発達してかたい核になり、その中に種子がある果物です。核の周りの果肉を食べます。

例:あんず、梅、さくらんぼなど

(4)液果類

1果が1子房からできている果物で、中果皮・内果皮である果肉を食べます。果肉はやわらかく、果汁が多いことから液果類と呼ばれます。果実も種子も小さいことが特徴です。

例:いちご、いちじく、キウイフルーツ、ぶどうなど

(5)穀果類

果皮が乾燥してかたくなっている為、果実を食用とするのではなく、種子を食べます。堅果類、ナッツ類とも呼ばれます。

例:アーモンド、栗、くるみなど

 

栽培される環境や葉の性質による分類

食用となる果実をつける樹木には、果樹と呼ばれ、栽培学上では栽培される地域の気候、環境によって、熱帯果樹と温帯果樹に分けられます。また、果樹が冬に落葉するかどうかによって、落葉性果樹と常緑性果樹に分類されることもあります。

(1)熱帯果樹と温帯果樹

亜熱帯~熱帯地域を原産地とする果樹のことを熱帯果樹と呼び、その果実をトロピカルフルーツと呼びます。熱帯地域で育っているので、寒さや雪などに弱いのが特徴です。オレンジやグレープフルーツなどの柑橘類のように、原産地が熱帯地域でも現在は温帯地域での栽培が一般的になっているものは、熱帯果樹には含まれません。

熱帯果樹の例:ココナッツ、ドリアン、パイナップル、バナナ、マンゴー、マンゴスチン

 

(2)落葉性果樹と常緑性果樹

夏から秋にかけて果実を実らせて、冬になると完全に落葉する果樹を落葉性果樹と呼びます。

また、冬になっても落葉せず、1年を通じて緑色の葉をしげらせている果樹を常緑性かじゅと言います。

落葉性果樹と常緑性果樹
落葉性果樹あんず、梅、柿、キウイフルーツ、さくらんぼ、梨、ぶどう、桃、りんごなど
常緑性果樹オリーブ、柑橘類、びわなど

 

アスパラガス

アスパラガス酸による疲労回復が期待できる

『ホワイトアスパラガス』よりも『グリーンアスパラガス』のほうが栄養価は高く、抗酸化作用のあるβーカロチンやビタミンC・E、造血作用のある葉酸、ビタミンB郡等も多く、栄養バランスに優れた緑黄色野菜です。

 

アスパラギン酸というアミノ酸を豊富に含み、新陳代謝を促して疲労回復やスタミナアップを助けるほか、利尿作用もあります。体内の余分なナトリウムを排出するカリウム、穂先の部分には毛細血管を丈夫にするルチンを含むので、高血圧も予防する働きがあります。

 

期待できる効果

  • アスパラギン酸による疲労回復
  • βカロチン、ビタミンC・Eで抗酸化力アップ
  • カリウムやルチンによる高血圧予防

 

保存方法

ペーパータオルなどに包んでポリ袋に入れ、野菜室に立てて保存。2~3日で使い切る。

硬めに塩ゆでして冷凍保存も可能。

下ごしらえと調理のコツ

茎の根元のかたい部分は包丁で切り落とすか、手でポキンと折り取ってもよい。

根元の皮はかたく筋っぽいので、下から3~4cmくらいをピーラーでむく。

はかまが残っていると口当たりがよくないため、包丁かピーラーでそぎ取る。

野菜の食べ方の工夫

350gの野菜の組み合わせと栄養素ーワンランク上の野菜選び

野菜に含まれている栄養素は、野菜によって異なります。野菜の栄養素の特徴を理解して1日350gの組み合わせを考えると、自分が必要とする。(もしくは不足している)野菜の効用が得られやすくなります。

1.1日350gの野菜から摂れる営養素

野菜はエネルギー源としてはあまり貢献していませんが、ミネラルやビタミンA‣Cなどの抗酸化ビタミンの供給源として欠かせないものだということがよく判りました。

そこで、体調管理に欠かせない野菜に豊富に含まれる栄養素を、毎日欠かさずとるためのワンランク上の組み合わせ方を考えてみましょう。『野菜と果物の図鑑』に載っている栄養価を参考に、それぞれの栄養素を多く含む野菜を5~10選びます。選んだ中から、季節などに合わせて自分に合った組み合わせを作ればよいのです。

2.抗酸化ビタミンをたっぷりとりたい場合の組み合わせ

野菜に含まれる抗酸化ビタミンの量は、野菜の種類によってかなり違いがあります。

β‐カロチンの多い野菜
食品名1食の目安量(g)ビタミンA(レチノール活性当量)(μg)
モロヘイヤ50420
ほうれん草80(1/3束)280
西洋かぼちゃ80264
あしたば50220
にんじん30(1/5本)216
小松菜80208
春菊50190
豆苗30102

このような組み合わせ活用すると、買い物・料理などが簡単にでき、忙しいときや体調があまり良くない時でも、野菜から摂りたい栄養素が確保できます。

 

野菜350gの組み合わせ例①

食品名

(g)

1日の目安量

(g)

カルシウム

(g)

(mg)

ビタミンA(レチノール活性当量)

(μg)

ビタミンC

(mg)

ビタミンE

(mg)

食物繊維

(g)

西洋かぼちゃ803000.4264343.92.3
モロヘイヤ402120.4336262.62.4
キャベツ501000.2210.10.9
玉ねぎ20300.3
もやし30210.10.4
きゅうり501000.2140.20.6
大根801840.21.0
合計3509471.56161026.87.9

 

野菜350gの組み合わせ例②

食品名

(g)

1日の目安量

(g)

カルシウム

(mg)

(mg)

ビタミンA(レチノール活性当量)

(μg)

ビタミンC

(mg)

ビタミンE

(mg)

食物繊維

(g)

西洋かぼちゃ1004500.5330434.93.5
ほうれん草805521.6280281.72.2
ブロッコリー702520.747841.73.1
トマト1002100.245150.61.0
合計35014643.07021708.99.8

 

野菜350gの組み合わせ例③

食品名

(g)

1日の目安量

(g)

カルシウム

(mg)

(mg)

ビタミンA(レリノール活性当量)

(μg)

ビタミンC

(㎎)

ビタミンE

(㎎)

食物繊維

(g)

西洋かぼちゃ1004500.5330434.93.5
モロヘイヤ703710.7588454.64.1
ブロッコリー802880.854961.93.5
にんじん1002700.27200.52.5
合計3501,3792.2169218911.913.6

 

例①のように、β‐カロチンを含むかぼちゃとモロヘイヤをベースとし、そこに淡色野菜を組み合わせて合計350g摂取できれば、抗酸化ビタミンの量がかなり多くなります。

例②と③は、抗酸化ビタミンを多く含む緑黄色野菜だけを組み合わせたケースです。野菜は4種類なので、開門だけでなく、料理も簡単にできそうです。

食の細い人や高齢者には、こういった組み合わせにすれば、350gの野菜を摂れなくても、野菜から摂りたい栄養素は摂取する事が出来ます。

 

野菜の栄養を無駄にしない調理法

1.ビタミンC(水溶性ビタミン)接種のポイント

ビタミンCは水溶性で、熱や光、水などに弱く

時代と共に変化する健康と野菜・果物の重要性

栄養改善から健康増進に

第二次世界大戦後の日本は、食生活が豊かではなく、栄養素の摂取不足による栄養失調といった問題がありました。

1952年、国民の栄養改善を目的に制定された法律が『栄養改善法』です。

時代とともに、私たちの食生活は豊かになりました。すると、今度は、栄養不足ではなく栄養の過剰による健康問題がクローズアップされるようになりました。

そこで、国民の健康増進を積極的に推進することを目的として、健康づくりや疾病予防、栄養改善などに必要な措置を定めた『健康増進法』が2002年制定されました。

健康増進法では、国民が生涯にわたって自らの健康状態を自覚するとともに、健康の増進に努めなければならない。

つまり、健康の増進は、国民一人一人の主体的な努力によってなされるべきであり、国や地方公共団体、企業などは、その取組の推進のために連携を図り、協力するよう努めなければならないとしています。

 

食の欧米化がもたらした影響

日本の伝統的な「ご飯、味噌汁、漬物、野菜の煮物』などを中心とした食事が、一気に『パン、牛乳、卵、肉』などの食事に変化しました。

輸入が必要な食材や食品の消費量が増大し、食の欧米化が進んでいきました。

このような急激な変化が、生活習慣病や食物アレルギーといった疾病を急増させた一因だとも言われています。

 

『健康増進法』と『健康日本21』の関係

平均寿命と健康寿命

確かに、日本の平均寿命はとても延びましたが、長生きするうえで重要なのが健康寿命の長さです。

健康寿命とは、心身ともに自立した生活を送る事が出来て、健康上の問題がなく、日常生活を制限されることなく自身の力で生活できる期間です。

 

健康日本21(第2次)の基本方針

『少子高齢化や疾病構造の変化が進む中で、生活習慣及び社会環境の改善を通じて、子供から高齢者まで全ての国民がともに支え合いながら希望や生きがいを持ち、ライフステージに応じて、健やかで心豊かに生活できる活力ある社会を実現し、その結果、社会保障制度が持続可能なものとなる。』

  • 健康寿命の延伸と健康格差の縮小
  • 生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底
  • 社会生活を営む為に必要な機能の維持及び向上
  • 健康を支え、守るための社会環境の整備
  • 栄養・食生活・身体活動・運動、休養、飲酒、喫煙及び歯・口腔の健康に関する生活習慣及び社会環境の改善

 

「野菜と果物の摂取量の増加」が大きな目標

生活習慣病予防の根拠を示して「野菜と果物の摂取量の増加」による栄養・食生活の向上を大きな目標として掲げています。

  • 壱日の野菜摂取量の平均値:282g⇒350g
  • 壱日の果物摂取量100g未満の者の割合:61.4%⇒30%
野菜・果物の摂取量を増加させる科学的根拠
  • 体重コントロールに重要な役割がある。
  • 循環器疾患、2型糖尿病の一次予防に効果がある。
  • 野菜・果物は消化器系のがん、果物は肺がんに予防的に働く

 

カリフラワー

ビタミンCが豊富でがん予防成分も含む

野菜キャベツの花蕾が肥大したものがブロッコリー、ブロッコリーが突然変異して品質改良されたものがカリフラワーだとも言われています。葉は食用にせず、花蕾の部分は食べる野菜です。

ビタミンCが豊富で、キャベツの約2倍の含有量があります。加熱しても比較的損失が少ないですが、水溶性なので、サッとゆでるか蒸すなど、短時間で加熱したほうが効率よく栄養素を取れます。サラダや炒め物、スープなど、幅広く活用できます。

また、アブラナ科の野菜に含まれるアリルイソチオシアネートの抗酸化作用で、免疫機能を高め、がん予防効果もあると言われています。腸内環境を良くして便秘を改善する食物繊維も含み、高血圧予防に役立つカリウムなどもバランスよく含むので、寒い季節に積極的に取りたい野菜です。

 

期待できる効果

  • ビタミンCによる風邪予防、美肌効果
  • アリルイソチオシアネートの免疫力アップ、がん予防
  • 食物繊維による便秘改善、整腸作用

 

選び方

  • つぼみが固く締まっていて、白く、ぎっしりと詰まって重いもの。変色や斑点が出ている物は鮮度が落ちている。
  • 外葉がみずみずしいもの。枯れたりしなびたりしている物は避ける。

 

DATA

・主な栄養成分 
エネルギー27kcal
0.6mg
カルシウム24mg
カリウム410mg
ビタミンA(レチノール活性当量)2μg
ビタミンC81mg
ビタミンE0.2mg
食物繊維2.9g
・科・属アブラナ科アブラナ属
・和名花椰菜・花甘藍
・原産地地中海沿岸
・主な産地徳島県、茨城県、愛知県など
・おいしい時期11~3月

 

 

品種群

オレンジブーケ花蕾がオレンジ色の有色品種でβカロチンを豊富に含む、ゆでてもオレンジ色は残るのでサラダ等に彩りを添える。
紫カリフラワーアントシアニンの働きで花蕾が紫色のカリフラワー。主な品種に『バイオレットクイン』や『パープルフラワー』などがある。「バイオレットクイン』は過熱すると、明るい鮮緑色に変化する。
ロマネスコカリフラワーとブロッコリーを掛け合わせたイタリアの伝統品種。円錐形の花蕾から『うずまき』「さんごしょう」の名も。

 

オススメの食べ合わせ

+きのこ類(βグルカン)動脈硬化・がん予防
+ナッツ類(ビタミンE)抗酸化力アップ

 

保存方法

  • 茎を軽く湿らせたペーパータオル等に包み、ポロ袋に入れて野菜室で2~3日。
  • 鮮度が落ちやすいので、小房に分けてサッとゆでたものを冷凍保存してもよい。

 

下ごしらえと調理のコツ

  • 外葉は根元に包丁を入れてはずす。
  • 茎のかたい部分を切り落とし、茎のほうから包丁で切り込みを入れ、手で割るようにして小房に分ける。
  • ゆでるときに酢やレモン汁等を加えると、白く茹で上がる。

 

日本型食生活の増進と国の施策

『日本型食生活』で理想的な食生活の実現へ

日本型食生活は、日本の風土や気候などに適したご飯を中心に、肉や魚、野菜、豆、海藻等を多数組み合わせて食べることで、栄養バランスが良いだけでなく、日本各地の農林水産物を数多く取り入れることが特徴です。

欧米化によって、私たちの食生活は大きく変化しました。脂質の摂り過ぎ、栄養バランスの偏りそれらの影響ともいわれる生活習慣病の増加などの問題に伴い、こうした偏りのない日本型食生活の良さとその実践が改めて見直されています。

 

『食生活指針』は日本型食生活実践の手引き

食料の生産や流通、そして食卓から健康へと食生活全体を視野に入れていることが特徴です。

キャベツ

胃炎や胃潰瘍を予防するビタミンUが豊富

古代ケルト人が栽培していた野生種のケールが原種。日本に伝わったのは江戸時代で、食用として本格的に栽培されるようになったのは明治時代以降だといわれています。

健康の維持に欠かせないビタミン類が豊富で、得にビタミンCは大きめの葉2枚(120g)で1日の摂取基準の1/2をクリア。ただし水に溶けて失われやすいので、汁ごと食べられるスープや煮込み料理がお勧めです。

キャベツから発見された成分、ビタミンU(キャベシン)には胃炎や胃潰瘍を予防する効果があります。傷ついた粘膜や、肝機能の回復を助けるため、胃腸薬の主成分としても利用されています。ビタミンUは熱に弱いので生食がベター。また、骨を強くするビタミンKも豊富です。

 

期待できる効果

  • 胃炎や胃潰瘍を予防する抗潰瘍作用
  • ビタミンCによる風邪や庵戦勝の予
  • ビタミンKによる骨粗鬆症予防

 

DATA

・主な栄養成分 
エネルギー23kcal
0.3mg
カルシウム43mg
カリウム200mg
ビタミンA(レチノール活性当量)4μg
ビタミンC41mg
ビタミンE0.1mg
食物繊維1.8μg
ビタミンK78μg
・科・属アブラナ科アブラナ属
・和名甘藍
・原産地ヨーロッパ
・主な産地群馬県、愛知県、千葉県、茨城県等
・おいしい時期

春キャベツ・・・3~5月

夏秋キャベツ・・・6~10月

冬キャベツ・・・11~3月

 

 

選び方

  • 葉にハリやツヤがあって緑色が濃いもの
  • 重みがあり、葉がしっかりと巻かれている物
  • 切り口がみずみずしく変色したり割れたりしていないもの

 

冬キャベツ

  • 夏に種をまき、冬に収穫する品種。眞貴が固く、扁平な形

 

オススメの食べ合わせ

+牛乳(カルシウム)骨粗鬆症
+かぶ(アミラーゼ)胃腸の働きアップ

 

保存方法

  • 丸ごとならポリ袋に入れて野菜室化冷暗所で1週間程度。
  • カットしてあるものはラップで包んで野菜室で保存。

 

『春キャベツ』と「冬キャベツ」の上手な使い分け

年間を通して安定して手に入るキャベツですが、出回る時期によって性質に違いがあります。『春キャベツ』は葉が柔らかく巻きが緩やかです。食感もみずみずしいのでサラダなど生食だけでなく、油で炒めたり、浅漬けにも適しています。

出回る時期が長いのが、夏に種をまき、冬に収穫する『冬キャベツ』で『寒玉』と呼ばれています。葉の色が薄く、形が扁平で、葉がかたく巻かれています。火を通しても煮崩れしにくいので、ロールキャベツなど煮込み料理に向いています。

 

品質群

春キャベツ(春玉)秋に種をまき、春に収穫される。『春玉』『新キャベツ』とも呼ばれ、葉が柔らかく、サラダなど生食に適している。
みさきたけのこ型のグリーンボール系。一般的なキャベツより栄養価が高く、鮮緑色の葉は厚めだが甘味があって柔らかく生食向き。サラダや漬物等に。
芽キャベツ『子持ち甘藍』とも呼ばれ、ビタミンCやカリウムが豊富。丸ごと煮込み料理に入れたり、下ゆでして使う。
紫キャベツ紫色は抗酸化作用の強いアントシアニンによるもの。加熱すると色が落ちるので生食向き。ビタミンCはキャベツの1.5倍以上。
サボイキャベツ葉がちりめんのように縮れていることから『ちりめんキャベツ』とも呼ばれる。フランス・サボア地方の品種。日持ちがよく煮込み向き。
ケールキャベツの原種とも言われ、ビタミンCやβカロチンが豊富で、青汁の原料としてもなじみ深い。
プチベール『芽キャベツ』と『ケール』の交配種で結球していない芽キャベツ。甘味が強くビタミンCが豊富。
 黒キャベツ結球しない『ケール』の一種で『カーボロネロ』とも呼ばれる。葉の表面が縮れて厚く、やや苦みがあるが、加熱するとやわらぐのでパスタやスープなどに使われる。

 

下ごしらえと調理のコツ

  • 外葉は繊維が太く硬いので取り外す。良く洗って細かく切り、炒め物やみそ汁、スープ等に使える。
  • 丸ごとの場合、芯の周りに切り込みを入れて、葉を外から外しながら使う。
  • 1/4にカットしたものの場合、包丁を芯に差し込み、三角に取り除く。
  • 軸と葉を切り分けてから使うと、扱いやすく、葉の柔らかい食感が楽しめる。
  • 炒め物などに使う場合、均一に火が通るように、軸の部分はそぐようにして切る。
  • 千切りにするときは、繊維を断ち切るように直角に包丁を当てて切るとふんわり柔らかく仕上がる。シャキシャキとした歯ごたえを残したい場合は、繊維に沿って千切りにする。
  • 切ったキャベツを水に長くさらし過ぎるとビタミン茶ビタミンUが溶け出てしまうので5~10分以内にする。

こまつな

皮膚を守るβカロチンたっぷり鉄やカルシウムも豊富

江戸時代に東京都の小松川地区で栽培されたことから『小松菜』と名がついたといわれる。冬を代表する緑黄色野菜です。

βカロチンを豊富に含み、目や皮膚、粘膜を防ぐといわれています。βカロチンは油と一緒に摂ると吸収率がよくなるので、アクの少ない小松菜は、下ゆでせずにそのまま油でいためてもおいしく食べられます。

さらに、骨の形成に欠かせないカルシウムが豊富で、骨粗鬆症の予防に、また鉄も豊富なので、貧血の予防にも役立ちます。カルシウム・鉄とも蛋白質と一緒に摂ると吸収率がよくなります。お浸しなどにする場合は、ビタミンCが損なわれないように、なるべく加熱時間を短くしましょう。このほか、漬物や汁物の具などに幅広く使えます。

 

 期待できる効果

  • βカロチンによる皮膚や粘膜の保護
  • カルシウムによる骨粗鬆症や、鉄による貧血の予防・改善
  • ビタミンCによるがんや風邪の予防

 

DATA

・主な栄養成分 可食部100gあたり
エネルギー14kcal
2.8mg
カルシウム170mg
カリウム500mg
ビタミンA(レチノール活性当量)260mg
ビタミンC39mg
ビタミンE0.9mg
食物繊維1.9g
ビタミンK210μg
‣科‣属アブラナ科アブラナ属
‣和名冬菜‣雪菜‣鶯菜
‣原産地中国
‣主な産地埼玉県、茨城県、福岡県
‣おいしい時期12~2月

 

選び方

  • 丈は短めで葉肉が厚く、緑色が濃いもの
  • 茎が太くみずみずしいもの

 

オススメの食べ合わせ

+チーズ(蛋白質)

骨粗鬆症

 

品種群

縮み小松菜冬の寒さにさらして栽培されたもので、葉に細かなしわが入っていて、うま味が強い。
紫小松菜葉や軸が紫色で、柔らかく、アクが少ないのでサラダにも適している。

 

保存方法

  • 軽く湿らせたぱーぱータオルなどに包んでポリ袋に入れ、野菜室に立てて保存。劣化が早いので、早めに使い切る。

 

下ごしらえと調理のコツ

  • 茎の重なった根元に泥がついているので、お浸し等にする場合は水を張ったボウルの中で根元を広げるようにして洗う。
  • アクが少なく下ゆでは不要。加熱調理するときは、茎から先に入れると火の通りが均一になる。

 

食品群と野菜の位置づけ

3色食品群の考え方と活用法

どの食品を、どのように組み合わせて食べたらよいか、上手な食品の組み合わせができるよう、食品を3つの色(赤色、黄色、緑色)に群別したものを、3色食品群といいます。

食品における活用

3色食品群は、5大栄養素の働きを基に食品を食別に3つのグループに分けたもので、主な栄養素とその役割に沿った分類をすることで、食品に含まれる主な栄養素と、それがカラダにとってどのような役割をするかを知る事が出来ます。

食事における活用法としては、毎食、各郡から2種類以上の食品を食べることで、栄養素のバランスが取れた食事になるよう考案されています。使用する食品を多くして栄養素のバランスを摂る事が目的です。

食育における活用

3色食品群は5大栄養素の役割を3つに色分けしているため、子供たちにもわかり吾安いことから、保育園や幼稚園における食育や、学校給食の献立表による栄養指導などで活用されています。

例えば、野菜嫌いの子供たちに対して、緑色群の『カラダの調子を整える』という野菜の役割を教えることで、「野菜が食べられるようになる」といった活用もされています。

3色食品群
食品群

栄養素・役割

主な食品
赤色群

蛋白質

(筋肉や血液などといったカラダの構成成分になる)

魚。肉。卵。牛乳・乳製品。豆腐
黄色群

炭水化物(糖質)、脂質

(カラダに必要な熱やエネルギーを供給する)

穀類(ごはん、パン、麺類)、イモ類、砂糖、油脂
緑色群ビタミン・ミネラル棘黄色野菜、淡色野菜、きのこ類、海藻類、果物

 

6つの基礎食品の考え方と活用法

栄養素の特徴によって食品を6つに群別したものが6つの基礎食品です。各郡から2~3種類以上の食品を上手に組み合わせることで、必要な栄養素をバランスよく摂る事が出来ます。

6つの基礎食品は、食品の基本となる『主食、主菜、副菜』の組み合わせによるバランスの良い食事の実践を可能とします。

3色食品群における栄養素の主たる役割を6つの基礎食品に当てはめると次のようになり、、3色食品群をさらにきめ細かな食品分類にしていることがわかります。

  • 第1類と第2類=『カラダの構成成分になる(赤色群)』
  • 第3類と第4類=『カラダの調子を整える(緑色群)』
  • 第5類と第6類=『熱やエネルギーを供給する(黄色群)』
6つの基礎食品
類別栄養素・役割主な食品
第1類

蛋白質

(筋肉や骨などカラダの構成成分になる)

肉、魚、卵、大豆・大豆製品
第2類

カルシウム

(骨や歯などカラダの構成成分になる。体の各機能を調節する)

牛乳・乳製品、小魚、海藻
第3類

カロチン

(皮膚や粘膜の保護をすることでカラダの調子を整える)

緑黄色野菜
第4類

ビタミンC

(カラダの調子を整える)

淡色野菜、果物
第5類

炭水化物

(熱やエネルギーを供給する)

穀類(ご飯、パン、麺類)、イモ類、砂糖
第6類

脂質

(熱やエネルギーを供給する)

バター、マヨネーズ、ドレッシング

 

また、5大栄養素からみた場合は、第1類『タンパク質』、第2類『ミネラル(カルシウム)』、第3類『カロチン(ビタミンA)』、第4類『ビタミンC』第5類『炭水化物』、第6類『脂質』となりますが、ここで注目すべきは、第6類のうち「野菜や果物」に関する分類が第3類、第4類と2つあることでこのことからも野菜や果物の重要性がうかがえます。

このように食品を栄養素の特徴によって6分類することで、子供から高齢者までの食事に対して、きめ細かく実践的な栄養指導を行う事が出来ます。

 

4つの食品群の考え方と活用法

栄養素的な特徴が似た食品を、4つのグループ(第1~4群)に分けたものが4つの食品群です。

それぞれの食品群から食品を組み合わせて食べることで、各栄養素がバランスよく摂れ、さらに毎日の食事のカロリーコントロールをすることで健康的な食事が実現できるという考え方です。

各郡の特徴

第1~3群は毎日不足しないように摂取することが必要な食品群で、たんぱく質、ビタミン、ミネラルを中心にカラダの成長や機能を高めるための重要な役割があります。

また、子供から高齢者まで、すべての人を対象とした共通の食品群であることから、性別・年齢・体格等にかかわらず毎日過不足なく、ほぼ同量を摂取することが個の食品群の特徴といえます。

さらに第4群では、穀類はしっかり摂るものの、砂糖や油脂については適量を心がけ、日常生活における活動量や年齢・性別・体格などによって摂取量を調整します。

つまり第4群は、『健康を維持・増進するための適正体重が維持できるよう、摂取量には気を付けましょう』という食品群です。

そしてこの4つの食品群で中止すべき点は、第1~3群に共通する栄養素に『ビタミン』があるということです。第3群には、『ビタミン、ミネラル、食物繊維』を含む代表的な食品である『野菜、果物』が腹荒れます。

4つの食品群
食品群栄養素・役割主な食品
第1群

蛋白質、脂質、カルシウム、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2

(栄養素のバランスを完全にする)

牛乳・乳製品、卵
第2群

蛋白質、脂質、カルシウム、ビタミンA、ビタミンB2

(筋肉や血液などの身体の構成成分になる)

肉、魚、大豆・大豆製品
第3群

ビタミンA、ビタミンC、ミネラル、食物繊維

(カラダの調子を整える)

緑黄色野菜、淡色野菜、きのこ類、海藻類、いも類、果物
第4群

蛋白質、脂質、炭水化物

(体に必要な熱やエネルギーを供給する)

穀類(ご飯、パン、麺類)、砂糖、油脂、嗜好品

 

4つの食品群(4群点数法)の活用法

食品の80kcalにあたる量を1点とし、第1~3群より各3点ずつけい9点を摂取して、残りは第4群でエネルギー量の調節をします。

例えば、1日1600kcalをとる場合は、次のようになります。

1点が80kcalですから、1600kcalでは20点となり、これを第1~4群に、『3点:3点:3点:11点』の計20点を振り分け、この比率で食事することで、1日に必要な栄養素がきちんと取れる路いう仕組みです。

 

しゅんぎく

香り成分には消化促進作用も、ビタミン含有量も多い

春菊という名は、春に咲く花や葉が菊に似ているということからつけられ、関西地方では『菊菜』と呼ばれます。鍋物の具材や、サッとゆでて和え物やお浸しにするほか、柔らかい葉先は生でサラダにもお勧めです。

独特の香りにはαピネン、リモナンなど10種類以上の成分が含まれ、自律神経には働きかけて消化を促進し、胃もたれを改善したり、のどの痛みを抑える作用があります。

βカロチン、ビタミンB2‣E、カリウム、カルシウム、鉄なども豊富で、がん予防やアンチエイジング、高血圧や貧血予防、コレステロール上昇を抑えて動脈硬化を予防するなど、様々な効果があります。

アク成分のシュウ酸が少ないので鍋物等には下ゆでの必要がなく、ビタミンやミネラルの損失を抑える事が出来ます。

 

期待のできる効果

  • βカロチン、ビタミンEによるアンチエイジング効果
  • 血中コレステロールの上昇を抑制し、動脈硬化を予防
  • カルシウムによる骨粗鬆症の予防・改善

 

DATA

‣主な栄養成分(可食部100g当たり)
エネルギー22kcal
1.7mg
カルシウム120mg
カリウム460mg
ビタミンA(レチノール活性当量)380μg
ビタミンC19mg
ビタミンE1.7mg 
食物繊維3.2g
葉酸190μg
ビタミンB20.16mg
‣科‣属キク科キク族
‣和名春菊
‣原産地地中海沿岸
‣主な産地千葉県、大阪府、茨城県
‣おいしい時期11~3月

 

選び方

  • 茎は細く短め、葉の色が濃く密生している物
  • 葉の木入れ込みが深い。関東以北で主流の品種

 

品種群

根つき春菊生育の早い段階で収穫されたもの。葉が柔らかく香りも控えめ。主食向き。
大葉春菊九州地方で主に栽培されている品種。葉が肉厚で切れ込みが浅く、香りは強い。
スティック春菊葉は細く、長い茎が特徴。香りがマイルドで癖がなく、食べやすい。

 

オススメの食べ合わせ

+しょうが(ジンゲロン)冷え性改善
+豆腐(蛋白質)肌荒れ予防
+かぼちゃ(ビタミンE)抗酸化力アップ

 

保存方法

  • 軽く湿らせたペーパータオル等に包み、ポリ袋に入れて野菜室に立てて保存。痛みやすいので早めに使い切る。ゆでて冷凍保存も可能。

 

下ごしらえと調理のコツ

  • 葉と茎で日の通りが違うので、葉と茎に切り分けて使用する。茎は斜め薄切りにしてもよい。

 

野菜で健康管理

1日の始まりは『朝食』から

『朝起きは三文の督』といいますが、これには『早起きすると健康に良いうえに。そのほか何か良いことがある』という意味があります。また早起きには、『健康』『前向きな性格』『頭脳の活性化』という”一石二鳥”の効果がある人もいます。

 1.朝食の重要性

朝起きた直後のカラダは、体温や血統値が低いばかりでなく、神経や脳、内臓あどのあたらきおていかしているため このような状態を健康的かつ効率よく上昇させる必要があります。人は約24時間の周期によるリズムを持っているため、朝食を摂ることによって、このリズムのスイッチが『ON』になるのです。

なお、食事をとると体温が上昇しますが、これも体を目覚めさせる要因の一つです。

また、『毎朝同じ時間に起きる』『朝食をしっかり食べる』という習慣は、体内時計をリセットするうえでもとても大切な役割といえます。

 

2.脳のエネルギー源

成人の脳は体重の約2%程度の重さしかありませんが、脳が消費するエネルギーは1日に消費するエネルギーの約20%にも及びます。

脳で使われるエネルギー源は『ぶどう糖』だけですが、このぶどう糖は脳にほとんど貯蓄できず、常に補給しなければなりません。普段は肝臓から供給されているのですが、肝臓では12時間分の貯蓄しかできないため、例えば夜7時に夕食を食べたとすると、翌朝7時に夕食を食べたとすると、翌朝7時には、エネルギーの蓄えがなくなってしまいます。

つまり、朝起きた時点で脳波栄養不足の状態となっていますから、このまま朝食を摂らずに仕事や勉強をしても、身が入らず『気力・体力・集中力』のすべてが欠落してしまうという可能性が出てきます。

朝食は三文の徳どころか『五文の徳』
五感を刺激する目覚め効果朝食を摂る事で「味覚・臭覚・視覚・触覚』の五感が働く。この刺激によって体のスイッチを『on』にする。
体温の上昇効果睡眠中に体温は下がる。その下がった体温を朝食を摂る事で健康的かつ効率よく上昇させることによって体の活性化を図る。
カラダのリズムを整える快便効果朝食を食べると腸が刺激されて排便しやすくなる。また、消化器官が働く事によって体内リズムを整える。
脳へのエネルギー補給効果脳は寝ている間でもエネルギーを消費している。朝食を食べて脳に栄養を与えることによって仕事や勉強の効率が上がる。
肥満防止で生活習慣病の予防効果朝食をしっかり食べることで昼食の過剰摂取を防ぐ。これによって肥満をはじめとした生活習慣病の予防に役立てる。

 

また、『食事バランスガイド』では『朝食の上手な取り方』のコツ提案してます。

『朝食の上手な取り方3つコツ』
朝ご飯抜き人~取りやすい物から始めようちょっとでも朝寝坊したいから、基本的に朝ごはん抜き・・・という人も多いかもしれません。でも昔から言われるようように、朝ごはんは1日の大切な始まり。でも昔から言われるように、まずは食べるることから始めましょう。牛乳やくだもの、パンはとりやすいでしょう。少しずつ充実させるようにして、栄養バランスは朝食・夕食で整えましょう。
ごはんと味噌汁だけの人朝は、ごはんと味噌汁(主食と副食)と香のものだけで簡単に済ませちゃうという人は、ご飯と相性の良い、納豆や生卵、干物などを一品加えるだけで、栄養バランスがアップしますよ。
パンと目玉焼きだけの人忙しいからと、パンと目玉焼き(主食と主菜)だけなんて人は、簡単なサラダや季節のくだものを加えることをお勧めです。

 

*朝食のポイント:牛乳・乳製品やくだものをとるのは、朝がチャンス!朝の目覚めに乳製品・くだものは食事バランスをアップさせます。

 

朝食を摂らない人は野菜摂取不足の傾向

ここでは『朝食を摂らない』という朝食欠食率増加の現状とともに、『朝食と野菜不足』の関係についてみてみましょう。

1.朝食の欠食率の増加

『平成27年国民健康・栄養調査』(厚生労働省)における朝食の欠食に関する状況によると、朝食を摂らない人の割合を示す『欠食率』は、男性は20~40歳代、女性は20歳代が特に多いのが特徴です。

なお、この調査における『欠食』とは、次のような場合を対象としています。

  1. 食事をしなかった場合
  2. 錠剤などによる栄養素の補給、栄養ドリンクのみの場合
  3. 菓子、果物、乳製品、嗜好飲料等の食品のみを食べた場合

2.朝食と野菜不測の関係

朝食の欠食と同様に深刻なのが、日本人の野菜不足です。朝食の習慣のと野菜の摂取の過不足の関係を調べた統計では、朝食を食べない人に野菜不足の人が多いことがわかっています。

n標量である350g以上食べてる人の割合は、朝食を食べる人の場合32.5%でしたが、朝食を食べない人の場合では16.3%師かありません。つまり、朝食を食べない人の8割以上が野菜不足ということです。

『朝食の欠食』=『野菜の摂取不足』の関係を改善するためにも、そして朝食によって1日が始まるカラダのスイッチを『ON』にするためにも、野菜たっぷりの朝食を積極的に摂る事を心がけましょう。

3.食べる順番と病気予防

病気を予防するための基本は、食事です。

そのポイントは野菜を摂取が栄養バランスや摂取エネルギーのコントロールに有効であることが調査・研究によってわかってきました。

ここでは、病気予防が期待できる『食べる順番』について見ていきましょう。

 

1.食後血糖値上昇の抑制が病気予防の鍵

食後に血糖値が上昇する高血圧が長く続く状態(食後高血圧)は、肥満だけでなく糖尿病の原因になります。そこでポイントとなるのが、血糖値の急激な上昇を引き起こさないための『食べる順番』です。

血糖値を急激に上昇させないためのの順番は、最初に野菜や海藻、キノコ類といった、糖質量が少なく食物繊維の多い食材から食べる事です。この食べる順番が、糖質の吸収を抑え、血糖値の上昇を緩やかにすることにつながります。

  1. 野菜のおかずを食べきる(野菜、海藻、キノコ類)
  2. 蛋白質のおかずを食べる(肉、魚、卵、大豆製品)
  3. 最後に炭水化物を食べる(ご飯、パン、麺類)

さらにここで重要なのが、野菜のおかずを食べきってから、たんぱく質のおかずに手を着けることです。

つまり、個の食べる順番は、『最初に野菜を十分に摂取して、食物繊維の働きで等分をできるだけ吸収させない状態にしてから、たんぱく質、炭水化物の順番に摂る事で、血糖値の上昇をできる限り緩やかにしていく』という考え方です。

糖尿病患者を対象とした食品の摂取順序による食後の血糖値の研究でも、『米飯⇒野菜』より『野菜⇒米飯』の順に食べたほうが食後血糖値、インスリン値ともに上昇が緩やかになっています。

また、血糖値の上昇は、『食べるスピード』4にも大きく関わります。同量の糖質を摂っても、短時間に摂るほど血糖値の上昇スピードは速くなります。ですから食事はゆっくり時間をかけて食べることも大切です。

セロリ

香り成分が精神を落ち着かせ食欲をアップさせる効果も

肉や魚の香りづけや、臭みけしにも使われる独特の香りはアピイン、セネリンなど、40種類ほどの香り成分によるもので、神経を鎮静させてイライラを抑え、食欲増進を助ける効果があります。茎はサラダや煮込み料理に、葉は刻んでスープや炒め物などに。葉にはβ‐カロチンが茎よりも豊富に含まれるので、捨てずに食べましょう。

β‐カロチンやビタミンC、カリウム、カルシウム、鉄、マグネシウムなどを含み、がんや高血圧予防、滋養強壮、整腸、鎮静等の効果があります。食物繊維も含まれているので、便秘の改善やコレステロールを下げる作用も期待できます。

また含有しているアミノ酸の一種のメチオニンには、肝機能を高める働きや血栓を予防して血行を良くする効果もあるので、疲労回復や動脈硬化予防にも役立ちます。

 

期待できる効果

  • 香り成分による神経鎮静効果、食欲増進
  • カリウムによる高血圧の予防、改善

 

DATA

‣主な栄養成分(可食部100gあたり)
エネルギー15kcal
0.2㎎
カルシウム39㎎
カリウム410㎎
ビタミンA(レチノール活性当量)4μg
ビタミンC7㎎
ビタミンE0.2㎎
食物繊維1.5g
マグネシウム9㎎
‣課、属せり科オランダミツバ属
‣和名オランダミツバ
‣原産地ヨーロッパ、西南アジア、インド
‣主な産地長野県、静岡県、福岡県など
‣おいしい時期2~4月

 

選び方

  • 葉や茎が新鮮でハリとツヤがあり、みずみずしいもの
  • 茎が太く、きれいな白色で筋がくっきりしているもの。黄ばみや斑点があるものは避ける

 

品種群

ホワイトセロリ水耕栽培された茎が細くて白いセロリ。一般的なセロリに比べて香りが弱く、筋もないのでサラダなど生食でも食べ易い
サラダセロリセロリの若い苗を収穫し、サラダ用に出荷

 

オススメ食べ合わせ

+豚肉(蛋白質・ビタミンB1)風邪の回復
+牛乳(カルシウム)抗ストレス作用

 

保存方法

  • 茎と葉を切り離し、軽く湿らせたペーパータオル等に包んでポリ袋に入れ、野菜室で保存する。日持ちしないので2~3日で使い切る。

 

下ごしらえと調理のコツ

  • 新鮮なセロリは表面に筋が多いので、筋に包丁を当てて手前にはがすようにして筋を取る。
  • セロリは繊維に沿って切ると、程よい香りが出て、しっかりとした歯触りになる。繊維を断ち切ると、香りが強く立って、シャキッとした食感に。
  • 香りが苦手な場合には、トマトやりんごなどと一緒にジュースにすると飲みやすくなる。

消化吸収の仕組みと5大栄養素

1.食物の消化と吸収

食物は食べてすぐにカラダの中で役に立つわけではありません。食物は消化管内で消化酵素の働きによって、吸収されやすく、血液で運ぶことができるくらいの分子に分解されます。この過程を消化といいます。

消化管は口腔から始まり、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸を経て肛門までつながっています。各器官では、異なる働きを持った消化酵素が分泌されます。

2.5大要素の種類と働き

食物に含まれる栄養素には、たくさんの種類があります。それぞれの働きや性格から、エネルギー源になるもの、カラダの構成成分になるもの、身体の調子を整えるものなどに分けられます。

1.栄養素の種類と働き

私たちが食べている食物には、様々な栄養素が含まれています。栄養素はヒトの体にとって栄養となる主な成分のことです。

人が声明を維持し、活動し、成長するために必要なものです。

栄養素は、その働きの性質から、炭水化物(糖質と食物繊維)、脂質、たんぱく質、ミネラル、ビタミンの5種t類に分類され、これらを5大栄養素といいます。なかでも、エネルギーとしても利用され、生命維持に重要な炭水化物、脂質、たんぱく質は3大栄養素といわれています。

 
2.野菜・果物の役割とバランスの重要性

野菜・果物には他の食物からは摂りにくいビタミンやミネラル、食物繊維が豊富に含まれているという特徴があります。

また、ポリフェノールやカロチンなどの機能性成分が含まれている野菜・果物も多く、様々な効果が期待され、野菜・果物として注目されています。

とくに果物は殆どのものが生で食べる事が出来、なかでもビタミンCを含みビタミンの供給源となります。さらに、果物は加藤を含むことから過度な甘味があります。

 

3.栄養素の役割とバランスの重要性

カラダに必要な栄養素は多種多様ですが、栄養素を利用するには、他の栄養素の働きが欠かせません。例えば、炭水化物がエネルギーとして利用される際にはビタミンB1が必要になりますし、カルシウムは蛋白質やビタミンDと一緒に摂取すると吸収率が上がります。

このように、複数の栄養素を摂取することで吸収率がよくなるのです。ですから、多種類の栄養素をバランスよく摂取することが重要になりいます。

各食品に含まれる栄養素やそれぞれの特徴を理解し、相互作用も考慮して、食事のバランスを考えてみましょう。

 各食品に腹荒れる栄養素
 炭水化物蛋白質脂質ビタミンミネラル食物繊維フィトケミカル
穀物
肉・魚
牛乳・乳製品
豆・豆製品
野菜
きのこ・海藻
果物

 

3.水の働き

水は、営養素には含まれません。しかし、身体を構成する成分の野化で最も多く、成人のやく60%を占めています。体内の水は、細胞の中(細胞内液)など、カラダのあらゆる部分に存在しています。血液、リンパ液は、細胞外液になります。

体の中での水の主な役割は、次の通りです。

水の主な役割
  • 血液の成分として、栄養素を全身に運ぶ
  • リンパ液の成分として、体内の老廃物を尿や弁として排泄する。
  • カラダの適度な柔らかさを保つ
  • 発汗作用によって体温の調節をする(体内で発生した熱は血液の循環により、汗をかくことで放熱される。)

野菜は水を多く含んでいますが、特に夏に旬を迎える野菜に水分が多い傾向があります。汗をかく季節は夏野菜を意識して野菜からも水分を摂りましょう。

5大栄養素の特徴と働き

1.炭水化物の特徴と働き

炭水化物はヒトの消化酵素で消化でき、エネルギー源となる糖質と、ヒトの消化酵素で消化できない食物繊維に分けられる。

1.糖質の特徴と多く含まれる食品

糖質は、体内での消化や吸収が速く、短時間でエネルギーに代わる重要な栄養素です。主食となる穀物やいも類、砂糖、果物等に多く含まれています。

個の糖質を科学的特徴で分類すると、単糖という物質の結合の数で分けられます。単糖類を基本にして、単糖が2個結合した二糖類、3~9個程度結合した小糖類(オリゴ糖)、10個以上結合した多糖類に分類されます。

糖質の種類と特徴
分類種類特徴
単糖類グルコース(ぶどう糖)ヒトの血液中に血糖として一定濃度含まれる
フルクトース(単糖)藤の中で最も甘い
ガラクトースラクトースの構成成分
二糖類マルトース(麦芽糖)麦芽やはちみつ、水あめに含まれる。グルコースとフルクトースが結合したもの
スクロース(ショ糖)砂糖の主成分。グルコースとフルクトースが結合したもの。
ラクトース(乳糖)母乳や牛乳に含まれる。グルコースとガラクトースが結合したもの
小糖類(オリゴ糖)マルトオリゴ糖甘味があるが体内で吸収されにくい
多糖類デンプン穀類に含まれ、グルコースが多数結合したもの
グリコーゲングルコースを肝臓や筋肉にためておくときのもの

 

2.糖質の消化・吸収

糖質は消化酵素によって、これ以上小さく分解されない単糖となって吸収されます。単糖類のうち、グルコースは主要なエネルギー源でもあり、血液中に取り込まれます。フルクトースとガラクトースは吸収された後、肝臓や筋肉でグリコーゲンとして貯蔵されたす。肝臓のグリコーゲンは必要に応じて、全身へ運ばれてエネルギー源となり、筋肉のグリコーゲンは筋肉の収縮の為のエネルギー源となります。

 

3.糖質の摂取ポイント

糖質をエネルギー源として利用する場合には、ビタミンB1が必要になります。例えば、ご飯やパンなどを食べると場合、ビタミンB1を含む食品(豚肉、ウナギ、大豆など)を一緒に摂取するとよいでしょう。

糖質は、使われなかった余分なエネルギーが最終的に中性脂肪になって体内に蓄積されるので、慢性的に摂り過ぎると肥満につながります。また、砂糖を摂り過ぎると虫歯が発生しやすくなります。

糖質の欠乏症はほとんどありませんが、欠乏すると、エネルギー不足で体力が低下し、疲労感が脱力感に見舞われます、特に脳では通常、グルコースが主なエネルギー源なので、朝食での糖質抜きは低体温になったり集中が出来なくなったりするので禁物です。

 

2.脂質の特徴と働き

脂質は体脂肪や細胞膜など、カラダの構成成分になります。高エネルギーのため、効率の良いエネルギー源です。

脂質は非常に多く種類があります。ヒトの体内では、多くが中性脂肪として存在し、主に体脂肪として蓄えられています。

1.脂質の遠く町と多く含まれる食品

脂質は、植物油(ごま油やオリーブ油など)、マーガリン、マヨネーズなどに多く含まれます。そのほか、乳製品(チーズ等)、肉類(脂身や皮など)、魚介類(脂ののったまぐろのトロ、さばやさんまなどの青魚など)にも含まれます。また種実類ではマカダミアナッツやくるみ、ごまなど、油が搾り取られるものに多く含まれます。

脂質の分類方法はいろいろありますが、食物から摂取する脂質の大部分は油脂で、植物性と動物性に分類する事が出来ます。

常温(18℃)で液体個体
植物性大豆油、菜種油(キャノーラ油)、ごま油、コーン油、オリーブ油、しそ油などやし油、パーム油など
動物性魚油バター、ラード(豚脂)、ヘット(牛脂)など

 

2.脂肪酸の種類と働き

脂質を構成する主な成分は脂肪酸です。脂肪酸には多くの種類があり、それぞれに特有の働きがあります。また、食品ごとに含まれる脂肪酸の種類や量は異なり、体内での働きも異なります。

脂肪酸は、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分類されます。

飽和脂肪酸とは炭素の結合に二重結合を持たないものをいい、不飽和脂肪酸は二重結合を1つもつものを1価不飽和脂肪酸、2つ以上もつものを多価不飽和脂肪酸といいます。不飽和脂肪酸は二重結合の位置により、n-9系、n-6系、n-3系に分類されます。

また、体内で合成できない、あるいは十分に合成されないため食物から摂取しなければならない脂肪酸を必須脂肪酸といいます。

分類脂肪酸多く含む食品主な作用
飽和脂肪酸パルミチン酸、ステアリン酸等バター、ラード、ヘット血液中の中性脂肪、悪玉コレステロールを増やす
不飽和脂肪酸1価不飽和脂肪酸(n-9)オレイン酸オリーブ油、菜種油血液中の悪玉コレステロールを減らす
多価不飽和脂肪酸n-6リノール酸大豆油、ごま油、コーン油血液中のコレステロールを減らす
γ-リノレン酸月見草油
アラキドン酸レバー、卵白
n-3α-リノレン酸しそ油血液中の中性脂肪を減らし、動脈硬化と血栓形成を防ぐ。DHAは記憶、学習能力の向上効果がある。
ドコサヘキエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)まぐろ、さば、さんま、真いわしなどの青魚

 

脂質の摂取のポイント

脂質は脂溶性ビタミン(ビタミンA・D・E・K)の吸収をよくします。そのため、野菜は脂質と一緒に摂取することで、脂溶性ビタミンの吸収率が上がります。

脂質の中でも、酸化しやすい多価不飽和脂肪酸を含む食品(大豆、コーン油など)を摂取する場合は、過酸化脂質を体内に作らないようにするため、、抗酸化作用のあるβ-カロチン(ビタミンA)、ビタミンC・えを含む食品と一緒に摂るとよいでしょう。

 

4.コレステロールの特徴と働き

脂質の1つにコレステロールがあります。コレステロールは細胞膜やホルモン、胆汁酸などの原料にになり、生命維持のために欠かせないものです。体内で一定量が必要で、必要量の70%は肝臓で合成されてます。残りは食物から摂取します。食物からのコレステロール摂取が多ければ体内の合成量が減り、摂取量が減れば合成量が増え、一定量供給されるように調節されています。

また、コレステロールの一種は紫外線によりビタミンDに変化し、骨へのカルシウム沈着を促進する働きもあります。

コレステロールは脂質でであるため、水に溶けません。体内では水になじむたんぱく質に覆われ、リポたんぱく質として血液に溶け、全身に運ばれます。リポたんぱく質は、コレステロール含有量の比率等によって、カイロミクロン(キロミクロン)、VLDL(超低密度リポたんぱく質)、LDL(低密度リポたんぱく質)、HDL(高密度リポたんぱく質)に分類されます。

血液中のリポたんぱく質の種類と働き
リポたんぱく質働き
カイロミクロン食物から摂取した脂質(中性脂肪)を腸から肝臓や全身に運ぶ
VLDL肝臓で合成された脂質(中性脂肪)を筋肉や脂肪組織に運ぶ
LDL肝臓で合成されたコレステロールを筋肉や脂肪組織に運ぶ
HDL全身の組織から余分なコレステロールを回収して肝臓へ戻す

すなわち、カイロミクロンとVLDLは中性脂肪を、LDLとHDLはコレステロールを運ぶ働きがあるのです。このため、一般にLDLをLDKコレステロール、HDLをHDLコレステロールといいます。

さらに、何らかの理由で体内にLDLが多過ぎると、体の組織や血液にコレステロールが貯まってしまい、動脈硬化の原因になります。これが、LDLコレステロールが悪玉コレステロールといわれる理由です。

一方、HDLは全身の組織の余分なコレステロールを回収する働きがあり、動脈硬化の原因となる血管の壁に張り付いたコレステロールも回収します。したがって動脈硬化の予防になるわけです。これがHDLコレステロールが善玉コレステロールといわれる理由です。

 

3.たんぱく質の特徴と働き

たんぱく質は体を構成する成分として重要なものです。主に骨や筋肉、内臓、血液、ホルモン、酵素、免疫物質等の材料になります。

1.他朴質の特徴と多く含まれる食品

たんぱく質は、肉類、魚介類、卵、牛乳・乳製品、大豆・大豆製品に多く含まれています。たんぱく質は体内で消化・吸収され、アミノ酸に分解されます。

(1)必須アミノ酸とは

アミノ酸はたくさんの種類が存在していますが、ヒトの蛋白質になるアミノ酸は全部で20種類です。そのなかでも、体内に合成できないか、あるいは合成できても必要量を供給できないものを必須アミノ酸といい、9種類あります。これらは食物から摂らなければなりません。

必須アミノ酸(9種類)
  • ロイシン、イソロイシン、リシン(リジン)、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン(スレオニン)、トリプトファン、バリン、ヒスチジン

(2)アミノ酸スコアの考え方

食品の必須アミノ酸の組織によって、食品のたんぱく質の栄養価のよしあしが判定されます。このたんぱく質の栄養価を『アミノ酸スコア(アミノ酸化)』といいます。

アミノ酸スコアは『桶の理論』で説明されます。9枚の板(9種類の必須アミノ酸を意味します。)の高さが十分ある桶に水を汲めば、水を無駄なく利用する事が出来ます。しかし、1枚でも板が短いと、1番短い板までしか水をくめず、利用できる量が少なくなってしまいます。

つまり、9種類の必須アミノ酸のうち、1種類でも不足していると、カラダを作るたんぱく質を十分に合成できないことになるのです。

主な食品のアミノ酸スコア
食品アミノ酸スコア第1制限アミノ酸
鶏卵(全卵)、豚肉、鶏肉、牛肉、牛乳、大豆、あじ、鮭100 
里いも84イソロイシン
じゃがいも68ロイシン
精白米65リシン
ほうれん草64リシン
にんじん59ロイシン
みかん50ロイシン
トマト48ロイシン

アミノ酸スコアは、最も高い場合に100と示されます。卵、肉類、魚介類、牛乳・乳製品、大豆は100ですが、精白米や野菜等のように100ではない商品でも、不足している必須アミノ酸を多く含む食品を一緒に摂取することでアミノ酸スコアを改善することが出来ます。これをたんぱく質の補足効果といいます。

2.たんぱく質の合成と分解のしくみ

ヒトのカラダは絶えず細胞が生まれ変わっています。新しい細胞を作るためには、たんぱく質は欠かせないものです。

食品からたんぱく質を摂取すると、食物中のたんぱく質はたんぱく質分解酵素によってアミノ酸に分解され、小腸で吸収されます。その後肝臓へ送られ、大部分は血液に入り、カラダの各組織に運ばれ、そこで主にたんぱく質の合成に利用されます。

3.たんぱく質の摂取のっポイント

たんぱく質が体内で利用されるためには、ビタミンB6が必要です。ビタミンB6はまぐろ、鮭、鶏むね肉、バナナなどに含まれています。なかでも、まぐろ、鮭、鳥むね肉はたんぱく質とビタミンB6の両営養素を含んでいるため、効率的といえます。

たんぱく質の必要量は様々な条件によって異なります。摂取のポイントを、ケース別にみてみましょう。

(1)運動との関係

激しい運動をすると体内のたんぱく質がこわされるので、新しい筋肉などを作るためにたんぱく質の必要量は増えます。筋肉を増やしたい場合には、運動直後のたんぱく質摂取が効果的です。

また、激しい運動後のたんぱく質の摂取は、披露した筋肉の回復に効果があります。

(2)感染症・外傷の治癒

感染症や外傷などでは、感染・外傷部位を修復するためにはたんぱく質の必要量は増えます。たんぱく質を摂らなければ治りにくく、完治に時間がかかります。

(3)ミネラルとの相互作用

鉄やカルシウムは、たんぱく質と一緒に摂取すること吸収率が高まります。

 

4.ビタミンの特徴と働き

ビタミンの「ビタ(VITA)」はラテン語で『生命』という意味です。生命に大切なものであることから「ビタミン」と命名されました。カラダの機能を正常に働かせたり、維持したりする役割を持ち、現在、13種類のビタミンが認められています。

1.ビタミンの特徴

ビタミンは、3大栄養素である炭水化物、たんぱく質、脂質の代謝をサポートする有機化合物です。ごく微量で代謝を手助けし、カラダの潤滑油のような働きをしています。ヒトは体内でビタミンを合成することがほとんどできないため、食物から摂取する必要があります。ビタミンが不足すると、それぞれのビタミンに特有の欠乏症を引き起こします。

2.ビタミンの種類

13種類のビタミンのビタミンは、溶解性の違いから、脂溶性ビタミン4種類と、水溶性ビタミン9種類に分類されます。脂溶性ビタミンはアルコールや油脂に溶けます。一方の水溶性ビタミンは水に溶けやすい物です。

分類特徴種類
脂溶性ビタミン過剰に摂取すると肝臓に蓄積され、頭痛や吐き気を起こすことがあるビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK
水溶性ビタミン体内にほとんど貯蔵されないため、常に食物から摂取する必要がある。ビタミンB群(ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ナイアシン、葉酸、ビオチン、パントテン酸)、ビタミンC

 

ミネラルの特徴と働き

ははHヒトのカラダの95%は炭素、酸素、水素、窒素の4元素で構成され、残りの5%の元素がミネラル(無機質)です。

ミネラルは骨格を作ったり、カラダの機能を維持したりする微量元素です。体内で合成することはできないため、食物から摂取する必要があります。

1.ミネラルの種類

自然界には100種類以上のミネラルが存在します。そのうちカラダを構成するミネラルは約40種類あり、営養素として不可欠なものは必須ミネラルと呼ばれれ、現在16種類が挙げられています。そのなかで、体内に存在する量が多いものを多量ミネラルといい、といいます。

体内の主なミネラルの種類
多量ミネラル(7種類)カルシウム、リン、カリウム、イオウ、ナトリウム、塩素、マグネシウム
微量ミネラル(9種類)鉄、亜鉛、銅、ヨウ素、セレン、マンガン、モリブデン、クロム、コバルト

厚生労働省では『日本人の食事摂取基準(2015年版)』のなかで、必須ミネラルのうち、イオウ、塩素、コバルトを除いた13種類のミネラルについて1日に必要な摂取量の基準を定めています。

また、ミネラルは適量の幅が狭く、過剰量や欠乏症を起こしやすい物があるため、上限量や目標量が定められている物もあります。

ちなみに、日本人に不足しがちなミネラルはカルシウムと鉄で、過剰になりがち麻ミネラルはナトリウムとリンです。

2.ミネラルの働き

ミネラルの主な働き
 主な働き 主なミネラル
カラダを構成する骨や歯など固い組織を作る カルシウム、リン、マグネシウムなど
筋肉や臓器、血液など軟らかい組織を作る カルシウム、カリウム、ナトリウム、リン、鉄、亜鉛など
カラダの調子を整える体液に溶けて血液のpHや浸透圧を調節する カルシウム、カリウム、ナトリウム、リン、塩素など
生理活性物質や神経伝達物質などを作る材料となる カルシウム、イオウ、マグネシウムなど

 

たけのこ

食物繊維がたっぷりでミネラル豊富な春の味覚

春の訪れを告げる野菜の代表格であるたけのこは、孟宗竹などの地下茎からのびる幼い芽の部分を食用にしたもの。地上に出ると固くなり、掘ってから時間がたつとえぐみが増すので、おいしく味わうためには鮮度が大切です。なるべく早く下ゆでしてアク抜きをしましょう。穂先や姫皮は和え物や若竹煮などに、中間の部分は炊き込みご飯や煮物、天ぷらに、根元のかたい部分は細切りにして炒め物などにお勧めです。

食物繊維が豊富なので、便秘を改善するほか、コレステロールや血糖値の上昇を防ぐ働きがあり、生活習慣病の予防に役立ちます。体の水分バランスを整え、ナトリウムの排出を促して高血圧を予防するカリウムや、疲労回復効果のあるアスパラギン酸も含みます。

 

期待できる効果

  • 食物繊維による便秘改善や血糖値を下げる効果
  • カリウムによる高血圧の予防やむくみ改善作用
  • 亜アスパラギン酸で疲労回復

 

DATA

‣主な栄養成分(可食部100gあたり)
エネルギー26kcal
0.4㎎
カルシウム16㎎
カリウム520㎎
ビタミンA(レチノール活性当量)1μg
ビタミンC10㎎
ビタミンE0.7㎎
食物繊維2.8g
‣科‣属イネ科マダケ属
‣和名筍、竹の子
‣原産地中国
‣主な産地福岡県‣鹿児島県、熊本県など
‣おいしい時期4~5月

 

孟宗竹

関東地方などで主に出回る品種。

 

選び方

  • 穂先は淡い黄色で外皮はツヤツヤした薄い茶色のもの
  • ずっしりと短く、持つとどっしりと重みを感じるもの
  • 切り口が白く、みずみずしいものを。根元のいぼが小さくて赤っぽいものが新鮮で、イボが大きいものは育ち過ぎ

 

品種群

淡竹外皮は淡い赤みを帯びた薄い色で身は細め。寒さに強いため北海道でも収穫できる。あっさりした淡白な味わい。

 

おすすめの食べ合わせ

+大豆(食物繊維)便秘改善
+昆布(アルギン酸)高血圧予防

 

水煮の竹の子の白い粉って?

一般的に出回っている竹の子の水煮は、『孟宗竹』を水煮にしたものです。水煮の竹の子についている白い粉のようなものはうま味の素となる『チロシン』というアミノ酸。食べると脳が活性化するといわれているので、取り除かずにそのまま食べても問題ありません。

 

保存方法

  • 入手したらすぐに茹でてアクを抜き、冷めてから皮をむいてキレイに洗い、水を入れた容器に移す。毎日水を替えて冷蔵庫で3~4日。味が落ちやすいのでなるべく早く使い切る。

 

下ごしらえと調理のコツ

  • 穂先の上部を斜めに切り落とし、皮の部分に縦に切り込みを入れる。
  • 深い鍋にたっぷりの水を入れ、竹の子2~3本に対して米ぬかカップ1、赤とうがらし1~2本を入れて火にかける。
  • 落としぶた(ペーパータオルでもよい)をして、水から約60分茹でる。根元の部分に竹串が通るようになったら、火を止めてそのまま冷ます。

 

たまねぎ

香り成分の硫化アリルが様々な生活習慣病を予防

玉ねぎ含まれる、目や鼻にツンとした刺激を与える香り成分は硫化アリルで、抗酸化作用があり、生活習慣病の予防に効果を発揮します。善玉コレステロールを増やし、悪玉コレステロールを減らす働きや、血栓をできにくくする作用があり、高血圧、動脈硬化、脳血栓、脳梗塞等を予防します。

また、硫化アリルはビタミンB1を体内に長く留め、吸収を促進する働きがあります。ビタミンB1は糖分をエネルギーに変える代謝にかかわり、不足すると、疲労、食欲不振、不眠、イライラ等が起こるので、硫化アリルとビタミンB1の多い豚肉などの食品の組み合わせはおすすめです。

硫化アリルは、長時間加熱すると甘味の強い成分に代わるので、効率よく摂るなら生食がよいでしょう。

 

期待できる効果

  • 硫化アリルによる高血圧や動脈硬化、脳血栓、、脳梗塞などの予防
  • ビタミンB1とのコンビで、疲労回復や食欲増進

 

DATA

‣主な栄養成分(可食部100gあたり)
エネルギー37kcal
0.2mg
カルシウム21mg
カリウム150mg
ビタミンA(レリノール活性当量)微量
ビタミンC8mg
ビタミンE0.1mg
食物繊維1.6g
‣科、属ユリ科ネギ属
‣和名玉葱
‣原産地中央アジア
‣主な産地北海道、兵庫県、佐賀県など
‣おいしい時期12月~1月(玉ねぎは4~5月)

 

黄玉ねぎ

薄茶色の皮の通年出回っている玉ねぎ。収穫後に表皮を1か月ほど乾燥させてから出荷させるため、保存性が高い。

 

選び方

  • 頭の部分が細く、固く締まって重みのあるもの
  • 皮がよく乾燥していてツヤのあるもの(新玉ねぎを除く)
  • 芽が出ていたり、ひげ根が長く伸びている物は鮮度が落ちているので避ける

 

品種群

新玉ねぎ3~4月に出荷される早どり玉ねぎの総称。みずみずしくて辛みが少ないので生食向き。痛みやすいので野菜室に保存し早実に食べる。
ペコロス『小玉ねぎ』、『ペティオニオン』とも呼ばれる直径3~4cmの小さな玉ねぎで、甘味が強い。形を生かして丸ごと煮物やつけ合わせに使われる。
赤玉ねぎ表皮も中の皮も赤紫色をしている玉ねぎで、『レッドオニオン』『紫玉ねぎ』とも呼ばれる。『アーリーレッド』『湘南レッド』などの品種がある。甘味と水分が多いので生食向き。
パールオニオン(パープル)光沢のある皮に包まれた小さな玉ねぎ。白色や赤色などもある。こまかく刻んで炒め物などに。
葉玉ねぎ玉の部分が膨らみかけたくらいの早い時期に葉月のまま収穫した玉ねぎ。みずみずしくて辛みはおだやか。葉の部分もやわらかく、ねぎと同じように食べられる。
サラダオニオン『白色ねぎ』とも呼ばれ、甘味があり、辛みが少ないので、サラダなどに最適。葉の部分は味噌汁や鍋物に使える。

 

おすすめの食べ合わせ

+豚肉やレバー(ビタミンB1)疲労回復
+鮭(DHA‣EPA)高血圧‣動脈硬化予防

 

抗酸化力の高い硫化アリルを効率的に摂るには?

玉ねぎに含まれる硫化アリルは熱に弱く、水に溶けやすい性質があります。効率よく摂るためには、水にさらさず、サラダやオニオンスライスなど生食をおすすめします。辛みが苦手で水にさらす場合には、2~3分程度に留めておきましょう。

また、玉ねぎを切った後15分ほど空気にさらすことで加熱しても硫化アリルの働きが失われにくくなるので、加熱調理の場合には切って時間をおいてから調理するようにしましょう。

 

保存方法

  • ネットに入れてつるしたり、紙幣や新聞紙に包んで風通しのよい場所に置いておく。夏は新聞紙に包んで野菜室へ。新玉ねぎは痛みやすいので野菜室で保存する。
  • みじん切りにして炒めたものを小分けにして冷凍保存して多くと、料理にすぐに使えるから便利。

 

下ごしらえと調理のコツ

  • 玉ねぎを切ると、硫化アリルが発揮して目や鼻の粘膜を刺激するため涙がでる。切る1時間くらい前に玉ねぎを冷蔵庫で冷やしてから切ると、硫化アリルの発揮を抑えられるので涙が出にくくなる。よく切れる包丁を使って短時間でサッと切るのもポイント。
  • 加熱用には繊維に沿って切ると水っぽくならず、うま味を残す事が出来る。生で食べるときは、繊維を断ち切るように切ると食感がソフトに。
  • 生の玉ねぎの辛みやえぐみをしっかり消したいときは、塩を振ってよくもみ、さらに水を加えて5分ほどさらしてから洗い流すとよい。
  • 薄切りやみじん切りにした玉ねぎをラップで包み、電子レンジで色づくまで、様子を見ながら約2分ずつ加熱すると、甘味のある玉ねぎが手軽に作れる。スープやハンバーグ、ミートソース等に便利に活用できる。

 

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